「注意!イカにエサをあげないで下さい。養殖になってしまいます」
神奈川県小田原市で鮮魚商を営んでいる明治44年創業「魚國」の公式Twitter、小田原魚國(@odawarauokuni)が7日に投稿した注意書きの写真が話題となっている。いいねは5.8万件を超え、リプ欄は「養殖の定義は?」「せっかく天然なのに、という嘆きなんだな」「これは意外と哲学的な観点があると思います」というマジメな反応のほか、「イカしてる」「イカした文句ですね」「遺憾の意。イカだけに」「餌をあげちゃイカんのか」とダジャレ祭りとなっている。店先に並べているイカに過去エサを与える人がいたのだろうか?魚國鮮魚部本店店長の矢嶋寛さんに話を聞いた。
――この投稿に多くの反応が寄せられています
「今回、小田原の魚國をたくさんの方に知ってもらえたり、故郷を懐かしんでもらえたり、いつも応援して頂いているんだなぁと実感ができ、とても嬉しく思ってます」
――なぜこのような注意書きを?過去イカにエサをあげた人がいた?
「毎日魚や貝などの値段を手板に書いておりますが、時間がある時は通りかかった人にクスクスと目を引いて足を止めて頂ける事を狙いとして、このような事も書いたりしております。今回の注意書きは、“魚國水族館”という形で、生きた魚、海の生物を店先に出し、小さいお子様に触ってもらったりしているので、それとは別で売り物である事を理解して頂く為に書きました。イカはとてもナイーブで繊細な生き物です。触れてしまうだけで人間でいう大やけどを負ってしまいます。価値あるものを大切に販売したいと考えております」
ところで魚國のTwitterにはおすすめの鮮魚が毎日アップされている。ある日の投稿を見れば「本日の仕入れ状況です。活 平目、本カワハギ、方々、黒鮑など 地物 タグアジ、ジアジ、〆真鯖、〆マトウ鯛、平ソウダ、ヤリイカ、ウルメイワシ、水カマス、マンボウ、など 陸送 鰆、真鯵、タグ金目、小金目、生白子、ホッキ貝、ジハマグリ、殻牡蠣などです。本日も宜しくお願い致します!」とぎっしり。
――毎日Twitterに投稿しているのはなぜ?
「毎日ツイートしているのは、魚屋は季節はもちろんですが、毎日水揚げ量や魚種が違い相場も変化します。昨日と同じ今日はないんですね。ですからフォローしてくださっている方々、情報をいち早く必要としてくださっているお客様に向けてツイートしています。継続してきたおかげで、今回のような反応も頂ける。継続のみ力と後輩たちに伝えているのでやめるわけにはいきません(笑)」
――売り上げにも貢献している?
「数年前より月の売り上げ等、一度も落とす事なく魚離れ、価格の高騰など厳しい業界の中なんとか頑張っております。感謝です」
おいしい鮮魚を客に届けたい-店長のその心意気はイカしたものだった。