友人が子猫を保護したが、里親を探すのは至難の業…ならば「うちで飼おう」と迎えた甘えん坊の黒猫

渡辺 陽 渡辺 陽

 

広島県に住む清水さんの友人が黒猫の子猫を保護した。しかし、そう簡単に里親さんが見つかるわけはなく、清水さんのところにどうしたらいいものか相談があった。当時、清水さんは5匹の猫を飼っていたが、黒猫を家族として迎えることにした。

里親はなかなか見つからない、うちで飼おう

2014年7月1日、広島県に住む清水さんの友人は黒猫の子猫を保護した。数日前から、アパートの近くの路上に、段ボール箱に入れて捨てられた子猫が何匹かいて、大家さんが発見した。3日間経っても猫の鳴き声が聞こえたので、友人が探したところ、エアコンの室外機の隅に隠れるようにして1匹の子猫がいた。友人は、大家さんに頼んで一晩だけ猫を部屋に入れ、誰か引き取ってくれる人はいないか清水さんに相談してきた。

「里親を探してもなかなか見つからない。里親を探すくらいならうちで飼えばいいと思ったんです。友人には、今からもらいに行くと言いました」 

当時、清水さんは5匹の保護猫と暮らしていたが、5匹も6匹も変わらないと思った。動物病院に連れて行くと、生後3カ月くらい、体重は660gあった。ノミがついていて、回虫もいたので、獣医さんの許可が出るまで他の猫とは隔離して育てた。

黒一点

名前は、ジジくんにした。清水家初の男の子の猫だった。

清水さんが最初に保護して家猫にした白猫のシロちゃんは、新しい猫がやってくるたびにお母さん猫の役をしたのだが、ジジくんの時もシロちゃんは、まるでお母さん猫のようにジジくんに寄り添って離れようとしなかった。

「ジジは子猫だったので、遊びでシロを噛むこともあったのですが、何も言わずにしたいようにさせていました。傍で見ていると、ああ、本当にお母さんをしているんだなと思いました」

母乳を与えるわけではないが、ジジくんで5匹目の子猫を迎えることになり、シロちゃんは、すっかり子育てになれていた。シロちゃんが受け入れるので、他の猫たちも素直にジジくんを仲間だと思い、遊び相手になってあげていた。

ジジくんは、まだまだ遊びたい盛り。みんなのところに行って「遊ぼうよ」と悪さをしかけ、怒られては逃げていた。

一番の甘えん坊

猫が6匹になっても、砂さえ置いておけばちゃんと排泄してくれるので、清水さんは、それほど苦労は感じなかったという。

「全員不妊手術をしていますが、たまにマーキングすることもあります。壁にはペットシーツを貼り付けています」

真っ黒な被毛と黄色い目から放たれる鋭い視線。一見したところ強面だが、ジジくんは、男の子だからか、清水家の猫のなかでも一番の甘えん坊だ。

大人猫になっても、ものすごく清水さんに甘えてきて、一番近くに寄ってくるという。

「立っていても背伸びして、足にくっついてくるんです。相手をしてほしいんでしょうね。でも、会社の事務所で飼っているので、たまに運送屋さんや銀行の人が来る。すると、いち早くどこかに隠れてしまう。怖がりでもあります」

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