不妊手術をしないで産まれてきた子猫…悪性リンパ腫に罹患し闘病も…

渡辺 陽 渡辺 陽

猫を虐待しているわけではないのだが、あまりにも猫に関する知識が乏しいまま飼っていたため、子猫が産まれてしまった。子猫たちは、1匹を除いて、みんな猫風邪をひいていたという。

 

不妊手術をしないで雄猫と雌猫を飼い続けた結果

前澤リナちゃんは、元の飼い主さんが不妊手術をしないで雄猫と雌猫を飼っていて、雌猫が妊娠、出産した子猫だった。子猫の譲渡先を探していた元飼い主さんは、Aさんに子猫を2匹譲渡した。

ちょうどその頃、猫を飼いたいなと思っていた前澤さん。ご主人の同級生であるAさんを介して、元飼い主さんから1匹の子猫が写っている写真が送られてきた。とにかく動物が好きだという前澤さん夫妻は、他の子と比べることもせず、写真に写っていた子猫を譲渡してもらうことにした。

「元飼い主さんは、手術をしなければと思いつつ、そのままにしていたら母猫が妊娠したそうです。今回がはじめての妊娠というわけではなく、それまでにも2~3回出産したと聞いています。リナたちで終わりにするために、母猫の不妊手術をする予定だと聞きました」

元の飼い主さんは、猫にピザを食べさせることもあったようだ。さらに、リナちゃん以外の子猫はみんな猫風邪をひいていたことからも、猫の飼い方をよく理解していなかったように思われる。

感染症を発症したアキちゃん

前澤さんの知人に2匹、前澤さんにリナちゃんを譲渡しても、まだ子猫が余っていた。前澤さんが、もう1匹ほしいと言うと、今度はキジトラの子の写真が送られてきた。前澤さんは、その子猫を引き取ることにしたが、ひどい猫風邪をひいていたので、つきっきりで面倒をみることができる義理の両親に託した。名前はアキちゃんと名付けられた。

アキちゃんは、譲渡されてから1ヶ月後にパルボウイルスか何かはっきりとは分からないが、感染症を発症して倒れた。一時は生死の境をさまよったが、すっかり元気になり、いまは雨の日以外はリードをつけて義父とお散歩しているという。

気がついたら、猫の魅力に取りつかれていた

前澤さんは、ラブラドール犬のボスくんとチワワパピヨンのミックス犬、チビ太くんを飼っていたが、リナちゃんはすぐに犬とも仲良くなった。特に、ボスくんは、リナちゃんに優しく接していたそうだ。

犬も猫も大好きな前澤さんだが、奥さんの睦(みつみ)さんは、幼い頃から猫が好きだったという。

「理由はわからないのですが、猫の魅力に取りつかれていました。美しいシルエットや目も好きです。予想がつかないしぐさや行動など飼ってみたら更に大好きになりました。世界中で1番美しい動物だと思っています」

リナちゃんはまだ4歳なのだが、2018年11月に悪性リンパ腫を発症。腫瘍が大きくなったため鼻で呼吸することが難しくなり、片目も見えにくくなってしまった。当初、かかりつけの動物病院では、猫風邪をこじらせたのだろうと言われていた。しかし、インターフェロンや抗生物質を飲んでもまったく良くならない。苦しそうなリナちゃんを見かねた前澤さんは、知り合いの獣医師にリナちゃんの動画を送った。「これは猫風邪ではない」、そう聞いた前澤さんは、リナちゃんを奈良県にある大きな病院に連れていった。悪性リンパ腫だと診断され、まだ若いので抗がん剤治療をすると鼻の腫瘍が小さくなり、鼻呼吸ができるようになった。

そして2019年4月に心肺停止するも復活。その後も闘病生活を続けていたが、病状が悪化し、息絶えた。しかし、リナちゃんは最期まで前澤夫妻の愛情をたっぷりと受けて天国に旅立っていった。

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