ここがヘンだよ日本のクリスマス!?日本在住の外国人たちに“本場”の料理を聞いてみた

大西 昭彦 大西 昭彦

 クリスマスが日本に受けいれられたのは、明治後期といわれる。1900(明治33)年に明治屋が東京・銀座店でクリスマス飾りをはじめ、これをきっかけにクリスマス商戦が広がっていったとされる。ただし、クリスマス料理を食べるようになったのはもっとあとのこと。1960年代になって一般家庭でもクリスマスにチキンを食べるになってきた。これはアメリカなどで七面鳥を食べるという習慣が、ちょっと変化して高度成長期の日本に導入されたものだ。

 ところが、この習慣はどうも外国人には奇妙に映るらしい。それなら各国ではいったいどんなクリスマス料理を食べているのか。日本在住の外国人にきいてみた。

 アメリカでは、ルイジアナ州など南部を中心に、コメをつかったジャンバラヤをよく食べるという。スペイン料理のパエリアが起源で、鍋にソーセージや鶏肉、豚肉をいれてラードで炒め、タマネギやピーマンを加え、最後にコメをまぜて炊きあげる。見た目は日本で食べるピラフに近い。「南部には料理自慢の男性が多く」、それぞれ独自のジャンバラヤを食べさせてくれるそうだ。

 いっぽう北部では、キャセロールと呼ばれる家庭料理がよく食べられる。耐熱容器にソースでからめた肉、野菜、パスタ、コメ、チーズなどをいれ、オーブンで焼きあげる。料理名はフランス語で「厚手のフタ付き鍋」をさし、グラタンに似た料理だ。

 このキャセロールは、ヨーロッパでも北欧のクリスマス料理の定番らしい。スウェーデン出身の女性にきくと、北欧のクリスマスは「古くから伝わる冬至の祭りと、キリスト教が一体となったもので、ユールと呼ばれる」。料理はユールボードというバイキング形式が一般的で、友人などを家庭に呼んで、参加者がそれぞれ料理を持ち寄って食べる。「日本で食べるお節料理みたいなものかもしれない」と話す。ワラでつくったヤギを飾るというのも特徴的だ。

 以前に聞いたのは、中欧のチェコではクリスマスに鯉を食べるという話だ。24日のクリスマス・イブには宗教上の理由から肉を食べない。そのため、コイの切り身に小麦粉をつけ、塩コショウなどで味を調えて焼く。ポーランドなどでも同じく鯉料理が定番だという。

 魚料理を食べるという点では、イタリアもそうだ。地域によって異なるが、ナポリあたりではウナギを油で揚げたり煮込んだりして食べるという。同国ではウナギは悪魔の化身とされ、それを食べることで邪気を払う意味がある。

 イタリア中部では、カッペレッティというパスタをつくる。「小さな帽子」という意味の言葉で、手打ちしたパスタを小さくちぎって帽子型にする。これを鶏のスープに浮かべ、一皿に20個程度を食べる。

 キリスト教とともにヨーロッパから世界に広がったクリスマス。ただ、多くの国ではこの日を家族とともにすごすそうだが、日本は恋人といっしょ。どうもこれが、外国人にはちょっと奇妙に映るらしい。

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