11月も下旬になり、めっきり寒くなってきたこの時期は、風邪やインフルエンザ対策など健康管理により一層、配慮する季節でもある。一方で、台風19号による被害は今も広範囲にわたって被災地に爪痕として残っている。気象予報士の半井小絵は初冬に向けて体調管理を呼びかけつつ、改めて災害時の課題について検証した。
◇ ◇ ◇
冬将軍到来の準備もできないまま、暖房のリモコンを手放せない季節になりました。私も寒い時ってこんなに身体がガチガチに固まって動きづらくなるものだったかしら?と呟(つぶや)いていますが、毎年のこと。
季節は廻(めぐ)ります。
気温が下がり、空気が乾燥するとインフルエンザなどのウイルス感染が拡がります。かかりつけ医に効果的な予防方法を尋ねたところ、ワクチン接種は感染の確率を低下させ、軽症で押さえる効果があること。また、適度な湿度を保つことが有効だということです。厚生労働省(「インフルエンザQ&A」)によると適度な湿度とは50~60%だということです。加湿器を利用する場合は加湿器肺炎になるリスクもありますので、きちんと洗ってお使いください。
最新の3ヶ月予報(気象庁25日発表)では、12月と1月は平年より気温が高めのところが多く、2月は平年並みの寒さとなりそうです。
寒さをどう乗り切るかを考える時期ですが、南の海上は一年中台風が発生しています。つい先日、23日には台風27号が沖縄の先島諸島に接近しました。この時期、水蒸気量が減って大雨は降りにくくなり、風雪に注目が移ります。
台風19号では広域に多発的に災害に見舞われ、多くの課題が山積のままです。今年から運用開始の「警戒レベル」は、水害や土砂災害などが発生する恐れがある時に5段階の「警戒レベル」を用いて伝えるもので、災害発生の危険度と住民が取るべき行動をわかりやすく伝えることが目的です。
しかし、メディアが「レベル4(全員避難)」と報道している時刻に、市町村からの避難情報の発表がなく、住民から自治体に避難情報を出さないのかという問い合わせが寄せられ混乱したという事例もありました。自治体に頼ることなく、自らの判断でも安全な所へ避難するための情報が生かされていません。防災情報の種類が多すぎるという現状もあり、季節が廻る前に抜本的な情報の整理と理解の促進が必要であると考えています。