1日、公開初日を迎えた、落語家の笑福亭鶴瓶10年ぶりの主演映画「閉鎖病棟-それぞれの朝-」。その主題歌で、韓国人歌手Kの歌う「光るソラ蒼く」が「全米感涙協会」の「泣ける主題歌」に認定され、Kにトロフィーが贈られた。Kは先月29日に、妻でタレント・関根麻里との間に第2子が誕生したとインスタ上で報告。同日夜に都内で開かれた授賞イベントでは「実は涙もろくて、子どもを見ているだけで泣いてしまうこともある」と明かし、「主題歌のイメージは夜明け前の空。どんなに辛くてもいつか朝が来る、そんな気持ちを伝えたかった」と語った。
「全米感涙協会」は2014年に、涙を流すことで気持ちのデトックスをする「涙活」の発案者でプロデューサーの寺井広樹氏が設立。全米と銘打ってはいるが、純粋に日本国内の任意団体で、由来もハリウッド映画のキャッチコピー「全米が泣いた」から取ったという驚くほどのユルさながら、過去には役所広司主演の「蜩ノ記」に「感涙映画第一号」を贈ったほか、感涙アーティストや泣ける海外ドラマなどに賞を贈呈。今回の授賞理由は、寺井氏が試写会で「閉鎖病棟」を観た際、「エンドロールでKさんの主題歌が流れ、涙があふれて立ち上がれなくなったほどの感動を受けた」からという。
授賞イベントで涙の形のトロフィーを受け取ったKは、主題歌「光るソラ蒼く」について、「制作過程は簡単ではなかった」と告白。当初、台本を読んで3曲だけメロディーを作ったが歌詞ができず、何度も撮影現場に足を運んで平山秀幸監督始め制作陣と綿密なやり取りを重ね、アレンジを含め25回の書き直しを経てようやく完成させたという。「映画を観た人が前向きな気持ちになってほしくて、あえて明るい曲をイメージした」といい、「何か月もの間、この曲だけしていた。そういう意味では『泣きたかった作品』」と会場の笑いを誘った。
Kは2013年に「涙活」の第一回目のゲストを務めたといい、「気を遣わずに泣けるので一人で映画を見に行くのが好き」とも。「泣ける歌を作るコツ」を聞かれ、「泣かせようと思って作ることはない。子どものように純粋無垢で、何の狙いも無く、ただ自分が見て感じた実体験のまま素直に歌にした曲の方がストレートに人の心に届くのかも」と語っていた。
「閉鎖病棟-それぞれの朝―」は精神科医・帚木蓬生による累計90万部超のベストセラーを「愛を乞う人」「レディ・ジョーカー」などの平山秀幸監督が映画化。長野県のとある精神科病院を舞台に、死刑執行の失敗で生き永らえた梶木秀丸(鶴瓶)と幻聴に苦しむ元サラリーマンのチュウさん(綾野剛)、DVに悩む女子高生(小松奈々)の姿と、日常を一変させる殺人事件を描く。11月1日より全国ロードショー。