ベトナム駐在中、ゴミ捨て場に捨てられていた子猫を保護 かわいくて「もう手放せない」と一緒に帰国

渡辺 陽 渡辺 陽

ミーシャちゃんとデュードくんは、それぞれ保護された経緯は違うが、ベトナムで保護された。当時、ベトナムに駐在していた草ヶ谷さん夫妻が2匹の一時預かりをするが、手放せなくなって、家族になった。

 

ベトナムで保護された子猫

静岡県に住む草ヶ谷さんは、ご主人の仕事の関係でベトナムに駐在していた時、ARCホーチミンという、主にベトナム駐在員の家族が現地ベトナム人と共に保護猫活動をしている団体でボランティアをしていた。そこで出会ったのがミーシャちゃんとデュードくんだ。

ミーシャちゃんは、2014年1月27日、ホーチミンのインターナショナルスクールのまだゴミ捨て場に生ごみと一緒に捨てられていた。まだへその緒がついている生まれたばかりの子猫で、たまたま先生がアニマルレスキューケア(以下、ARC)のメンバーだったので、先生と生徒が保護して、ARCホーチミンに連れてきてくれた。一緒に捨てられていた兄弟は死んでしまった。ミーシャちゃんは体重120gの小さな子だったが、なんとか生き延びた。

デュードくんは、2014年1月27日、ホーチミンのバックパッカー街で、飢えて弱り切っていたところをカナダ人旅行者の女性が保護した。本当になんでもいいから食べものが欲しいといった感じだったという。体重は200gくらいしかなく、眼のすぐ近くが傷ついていた。いまでも少し眼の形が変形している。カナダ人女性は、インターネットでARCホーチミンを探し、連絡してくれた。

子猫の仮の里親に

ミーシャちゃんとデュードくんは、生後3カ月まで草ヶ谷さんの友人が育てて、その後、草ヶ谷さんが「子猫の仮の里親さん」になった。5月初旬に自宅に迎えた。

2匹とも初日はびくびくしていて、ソファやテレビボードの下に隠れて縮こまっていた。しかし、お母さん猫ではなく人の手で育てられたので、その日の夜にはご主人の腕の中で安心して眠っていた。レスキューされてから生後3カ月まで、温かな人の手によって育てられたので、もともと人に対する信頼感があったようだ。

「愛情を持って育ててくれたのが、伝わったのではないかと思います」

ミーシャちゃんとデュードくんは、とても仲が良くて、寝る時も遊ぶ時もずっと一緒にいた。ミーシャちゃんはおっとりして優しい。デュードくんも優しいが、やや自己主張が強く、ご主人がソファに横たわっていると、「俺のスペースも作れ」と要求しに行く。

「ずっと一緒いたい」

約3カ月経つと仮の里親が終わる。

「一番可愛い頃に手放さないといけないんです。3カ月間のうちにどんどん大きくなって、健康になっていくのを見て、もう手放せない、ずっと一緒にいたいと思いました」

草ヶ谷さんは、ミーシャちゃんとデュードくんを迎えることにした。

やがて駐在期間が終わり、ベトナムから日本に帰国することになった。日本の家に着くと、しばらくは、「お父さんとお母さんはいるけれど、ここはどこ?」といぶかしげだった。しかし、一通り家の中の点検を済ませると2日目くらいには、自分たちの好きな場所を見つけていた。

ベトナムの家には引き戸はなかったが、日本の家ではデュードくんは自分で引き戸を開けられるようになった。ミーシャちゃんは、自分で開けることできないが、開けたい時は障子の前に座ったり、鳴いてみたり、デュードくんにアピールするという。

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