だが、この「家のおばけ」を拝めるのは期間限定となる。というのも、その家があった敷地では現在、新たに建築工事が行われているからだ。工期を確認すると、今年5月から来年6月まで。9月時点ではまだ土台作りの段階で、ビル側壁に焼き付いた家の影はしっかり見られたが、おそらく、あと数カ月もすれば、見えなくなるのではないか。
平成の最後と令和の初めのエアポケットに、ひょっこりタイムカプセルから飛び出してきたかのように出現した「家のおばけ」。期間限定で、昭和20年代生まれの長屋のシルエットは、再び視界から消え、封印されていく。