拳銃不法所持事件への「返答」 豊田利晃監督が16分の短編に込めたメッセージ

黒川 裕生 黒川 裕生

短編にしたのは、もちろん渋川清彦ら人気俳優や、宮本まさ江(衣装)、笠松則通(撮影)ら超一流スタッフのスケジュールの都合もあるが、実は以前から短編を作りたいという思いがあったからだという。

「スマホや動画サイトなどの影響もあって、映像に関しては今、みんな長時間見続けるだけの集中力がない。そこに新しい映画のヒントがあると思っていた。まあ16分はさすがに極端だけど、どうせやるなら極端な方がいいと思った」

「でも2時間の映画と同じくらいの“読後感”はあると自負している。短時間だと、集中して細部まで見ようとするんですよ。だから音もものすごく細かく作っています。切腹ピストルズの音楽を、長時間続けるとスピーカーが飛んでしまうくらいの爆音にしているのも、16分だからこそできることを追求した結果です」

拳銃不法所持事件の前後で、社会の見方や考え方にどういう変化があったか、という質問には、こんな答えが返ってきた。

「ずっと事件のことばかり考えているわけではない。普通に飲みにも行くしね。留置所を出た瞬間からこの映画をやってるんで、意識は『どんな短編を作ろうか』ということに向かっていた。もし何か思うことがあるとすれば、この映画の公開が終わってからじゃないですかね。ただ、時代の風は狼煙を上げる方に吹いている気がします。今やらなくてどうすんだ、ですよ」

「狼煙が呼ぶ」の公開は概ね26、27日頃までだが、劇場によって異なるので確認が必要。

▪️「狼煙が呼ぶ」公式サイト https://www.imaginationtoyoda.com/norosigayobu

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース