地上波だけでなく配信番組でも 芸能人の趣味を題材にした番組が人気なワケ

佐藤 利幸 佐藤 利幸
「有田と週刊プロレスと」に出演している有田哲平(右)と倉持明日香(左)©flag Co.,Ltd
「有田と週刊プロレスと」に出演している有田哲平(右)と倉持明日香(左)©flag Co.,Ltd

芸能人の趣味をそのまま採用した番組が人気を博している。NHK Eテレでは、昆虫好き知られる香川照之の冠番組として、「香川照之の昆虫すごいぜ!」を不定期で放送。カマキリの着ぐるみに身を包み、テーマとして挙げられている昆虫の生態について、自身の幼少時代の思い出話なども織り交ぜながら熱弁する内容で2016年10月の放送開始から多くの反響を呼んでいる。2016年には1度だった放送も、2017年には3度放送。2018年には4度と放送回数を増やしていき、2019年も9月現在ですでに4度を放送。そのうち1度はEテレの枠を超えて、NHK総合で「NHKスペシャル 香川照之の昆虫"やばいぜ!"」として放送。その人気はとどまる所を知らない。

 地上波以外にも配信番組として芸能人の趣味番組を放送し、多くの支持を得ている番組がある。Amazon Prime Videoで配信されている「有田と週刊プロレスと」は、プロレスファンで知られるくりぃむしちゅーの有田哲平が、同じくプロレスファンのタレント倉持明日香やゲストと一緒に、1冊の『週刊プロレス』を題材としてプロレスを語り尽くす内容。2016年11月にシーズン1がスタートし、現在のファイナルシーズン(4作目)まで続いている。カスタマーレビューは、なんと5・0段階中4・9(ファイナルシーズン/9月18日現在)と、プロレスファンのみならず、多くのユーザーから高い評価を得ている。今月末にはシーズン1と2のDVD-BOXの発売が決定。オンデマンドで、いつでも見ることができる配信番組ながらDVD-BOXを発売する理由は、「視聴者の方から、パッケージを手元に置いておきたいという声を多数頂いたから」(同番組プロデューサーの上田暁子さん)と、異例の待遇だ。

 同番組を企画した理由について、「プロレス好きで博識な方は、著名人にも一般の方にも多くおられますが、有田さんのプロレストークの魅力は、即興であるにも関わらず、複雑な背景や歴史を分かりやすく解説する圧倒的な話術と構成力、そして何よりプロレスへの感謝と尊敬と愛情が溢れていることだと思い、有田さんありきで、番組を企画しました」(前出プロデューサー)。当初は、漠然と「長く続く番組になればいいな」という程度で考えていたそうだが、回を重ねるたびにSNSなどで話題となり、ユーザーレビューも高評価をキープ。4作目となるファイナルシーズンを迎えることになった。また、昨今のプロレスブームにも貢献しており、この番組をきっかけに、これまでプロレスをあまり知らなかったという人が、プロレスに興味を持ち、実際に試合会場へ足を運ぶようになったという声も少なくないという。

 当初、有田自身は「プロレスは自分が好きなもの。趣味は趣味のままの方が…」と、そこまで番組化に積極的ではなかったという。それでも、好きな趣味について、愛情を込めて語る芸能人の姿は多くの視聴者から共感を得る結果となり、人気番組へと成長させている。“好きこそ物の上手なれ”ではないが、こういった“趣味番組”は、これからも増えていきそうだ。

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