今年も残暑が厳しいようですが、それでも時々、秋めいた気候に気づく今日この頃です。さてそもそも、夏はなぜ暑いのでしょうか。今回はまた医学から離れたお話です。
地球はコマのようにクルクルと、1日1回転、自転しながら、一年かけて太陽のまわりを回っています。これを公転と言います。ところが地球の自転軸、つまり北極点と南極点を結ぶ軸は、公転軌道面に対して垂直ではなく、23・4度かたむいています。
このため、ある時期には太陽の光をよく受け、ある時期には太陽の光をあまり受けないという現象がおこります。太陽の光と熱を充分に受けている時期が夏、光も熱も少ししか受けていない時期が冬になります。夏と冬の中間が春と秋になるのです。
北緯35度、だいたい東京や大阪では、太陽が1年中で一番低い12月22日前後の冬至の日には、正午の太陽の高さは32度にしかなりません。逆に太陽が一番高くなる夏至は6月22日頃で、そのときは太陽の高さは78度になります。夏は暑く冬は寒いのは、地球が傾いていることが原因なんですね。
でも1年で一番寒いのは冬至ではなく、1~2月ごろです。これは夏の間に温まった陸地や海が冬至になっても急には冷たくならず、1カ月あまり遅れてやっと冷たくなるからです。
北半球と南半球で季節が逆転するのも、自転軸の傾きによるものですが、太陽熱の他に、風の影響も忘れてはいけません。北極から張り出してくる寒気が、日本の冬をより寒くしているのですが、これ以上説明しようとすると、高気圧と低気圧、風と地表の摩擦、そして地球の自転によって起こるコリオリの力など、物理の話までしなくてはならなくなりますので、今回はこの辺で。