神戸の“昭和の遺産”モトコーが切り絵になった!

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 「モトコー」の愛称で親しまれている神戸・元町高架通商店街のたたずまいを残そうと、切り絵の作品展が9月13日(金)から現地のギャラリー「プラネットアース」で開かれる。

 今も中古のワープロを積み上げて販売する店、薄暗い通路に光が差す風景など合わせて約30点が並ぶ。コピーライターで切り絵作家の竹内明久さんの作品だ。

 JR神戸線の元町-神戸間にまたがる「元町高架通商店街(通称・モトコー)」は、戦後の闇市の痕跡を残す、日本一長い高架商店街として知られる。骨董・軍服・カレー・バッタ商品など雑多で不思議な店が並ぶが、現在は耐震補強と再整備計画のため立ち退きを求められている。

 竹内さんはモトコーを拠点にフリーペーパーを発行してきた。切り絵作家の故・成田一徹氏に師事し、3年前からモトコーを描いている。この9月、切り絵作品を集め、エッセーを添えた本を出版することになり、発刊記念展を開く。

 展覧会のタイトルは『犬の目、人の眼差し』。竹内さんは「かつて戦災孤児も港湾労働者も外国人船員も野良犬のように目をぎらつかせながらここを行き来していた。戦後から続く神戸の時間の積み重ねを読み取れる玉石混交の世界。人間の弱さや悲しみも包み込むような優しいまなざしを持つ街が消えるのはさびしい」と話している。

◆『犬の目、人の眼差し』切り絵・文/竹内明久

編集・発行:波止場通信社

価格:本体1800円+税

販売:ジュンク堂書店 三宮店・三宮駅前店・さんちか店で販売中

※下記の記念展期間中、会場内でも販売

◆発刊記念展『犬の目、人の眼差し』

日程:2019年9月13日(金)〜23日(月)12:00-19:00(最終日は17:00まで)

会場:プラネットアース 神戸市中央区元町高架通3-172(モトコー2番街)

入場料:無料

問い合わせ:電話 050-3716-3540 プラネットアース

◆明け渡し求めJR西日本が提訴

「元町高架通商店街」の再整備計画で、店主らと立ち退き交渉を進めるJR西が3月に、建物を所有する男性に土地明け渡しを求める控訴を神戸地裁に起こしている。同社によると、昨年5月に3、7番街から再整備の工事を開始。2023年度中に完了し、24年春の開業を目指すとしている。

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