球児に負けん!白球かっ飛ばす82歳女性 マイグローブで連日バッティングセンター通い

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マイグローブをはめてバットを構える柴田さん。納得がいくまで打ち続ける(長岡京市神足・長岡京バッティングセンター)
マイグローブをはめてバットを構える柴田さん。納得がいくまで打ち続ける(長岡京市神足・長岡京バッティングセンター)

 京都府長岡京市の82歳の女性が5月からほぼ毎日、市内のバッティングセンターに通い、白球を打ち続けている。1人暮らしを続ける中で、偶然に出合った人生の楽しみだという。

 柴田清子さん=同市調子1丁目。マイグローブを両手にはめ、右の打席に立つと、鋭い眼光でマシンを見つめる。時速75~100キロで繰り出される球を、一日に46球、多い日だとその倍の92球を次々にはじき返す。「すべて我流」というが、空振りは少ない。打ち終わると「高いところまで飛ばせると最高に気持ちいい」と爽やかな笑顔を見せた。

 柴田さんは7年前に夫を亡くし、3人の子どもたちも独立して今は1人暮らし。今年の大型連休で帰省していた長男の車でドライブに出掛けていた時、通りがかった長岡京バッティングセンター(神足)が気になった。「どんな施設なのか。ぜひ見てみたい」。野球の経験はなかったが、長男が見守る中、バットを振ると意外と当てることができた。「こんな面白いところがあったんや」。翌日も長男に連れてきてもらった。

 3日目からは1人で訪れるようになった。午前11時から約1時間、心地よい汗を流す。連日にわたって打ち込む姿は、常連の人たちからも注目されるようになった。同センターのパート従業員の新田真理子さん(50)も「いつも楽しそうにされているので応援したくなります」と温かいまなざしを向ける。

 柴田さんは、これまでは野球に全く興味がなかった。「夫がプロ野球をテレビで見ていると、『うるさいなあ』としか思わなかった。でも、自分がするようになって面白さが分かってきた」と感慨深げ。バッティングセンターから帰宅してからも、自宅近くで野球をして遊ぶ少年たちに声をかけ、仲間に入れてもらうようになった。「打つだけでも、快く受け入れてくれる。『こうやって打つといい』と熱心に教えてくれたりもする」とうれしそうに語る。

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