たこ焼き屋に癒し猫、SNSで人気 人は招けど売れず苦笑

京都新聞社 京都新聞社
店先で眠るハスキーとたこ焼きを焼く松田さん(大津市馬場2丁目)
店先で眠るハスキーとたこ焼きを焼く松田さん(大津市馬場2丁目)

 大津市馬場2丁目のたこ焼き屋のベンチで寝ている猫が「いつでも出合える癒やし猫」としてSNSで人気となり、多くのファンを呼び寄せている。元は野良猫だったが、店主が去勢手術を受けさせ、餌やトイレの管理もしている。人を招く看板猫に、店主は「お金も招いてくれたら」と期待する。

 猫の「ハスキー」と「たこまる」店主の松田章太さん(69)が出合ったのは約5年前。路上に捨てられていたため、売れ残りのたこ焼きを与えたところ、翌日以降、開店を待つようになった。「毎日あいさつされている気分だった」

 「帰ってこなくても何もせず、好きなようにさせている。飼っているという意識はない」と松田さん。だが、迷惑にならないよう去勢手術をし、餌も与える。トイレは近くの砂場でさせているという。

 営業時間中のほとんどは近所の住民が贈ったベッドで寝転がっている。人慣れしていて、なでても嫌がらない。マイペースな姿がSNSで話題となり、1日20人ほどが見に訪れるようになった。食べ物の差し入れもあり、舌が肥えたのか、たこ焼きは食べなくなってしまったという。

 無制限な餌やりをしながら、汚物やごみの処理をせず、繁殖したあげく、苦情で殺処分されるなど野良猫の扱いは各地で問題になっており、「地域猫」「まち猫」として地域で見守る活動が始まっている。同店の前にもガラスがまかれたことがあったといい、松田さんは「世話をすることを非難する人もいるが、きちんと面倒を見れば迷惑をかけることはない」と話す。

 ちなみに来客はハスキーを見に来るだけで、たこ焼きはなかなか売れない、とか。松田さんは「人は招いてくれるので、売り上げも上がってくれたら」と苦笑した。

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