秋田名物と言えば、比内地鶏、稲庭うどん、きりたんぽ、いぶりがっこなどが頭に浮かぶ。中でも比内地鶏は「名古屋コーチン」、「薩摩地鶏」と並ぶ日本三大地鶏で、鶏好きの私が一度駅弁で食べてみたいと思っている食材の一つだった。それを見事に塩焼きと、そぼろで提供してくれた創業120年の「花善」さんに感謝しながら、ひもを解き歴史を感じる和紙のような掛け紙を開いてみた。
かめばかむほど味が染み出る
メインの比内地鶏の塩焼きは、薄くスライスされているはずなのに歯応え十分で、かめばかむほど味が染み出てくる感じでおいしい。
同居する卵とそぼろは、かみ応えも味も全く違い、これまたうまい。鶏肉の煮汁で炊いた秋田県産米との相性がよく、箸が進むこと間違いなし。
ゴボウとゴマの醤油煮は甘辛く、枝豆入りかまぼこや、魚肉のがんもどきも、いい味を出している。
おかずのセンターを務めるナスの田楽は濃いめの味付けで、味噌に深みがあって風味も良く、十分に満足の出来る味に仕上がっている。
1180円。奥羽本線・秋田駅「花善」。Tel0186・43・0870