残った力を振り絞って助けを求め鳴いた子猫 保護され猫ロスの家庭で幸せつかむ

渡辺 陽 渡辺 陽

橋本ツナちゃんは、猫風邪でボロボロの状態になっていたところ、大学生に発見され保護された。たまたま最愛の猫、ハムちゃんを亡くして悲しみにくれていた橋本さんの目に留まり、幸せをつかんだ。

行き倒れた子猫

2017年7月、橋本ツナちゃんは、たった1匹で山に囲まれた閑散とした道路にいるところを保護された。

ひとりの大学生が、その道路を歩いていたところ、一匹の子猫が行き倒れていた。母猫やきょうだいの姿は見当たらなかった。カラスに襲われたのか、被毛は汚れていて、猫風邪もひいていたため、目やにと鼻水で顔もドロドロだったという。それでも、残った力を振り絞ってか細く鳴き声をあげ、ツナちゃんは助けを求めていた。

大学生は、ツナちゃんに気付いて拾い上げ、その足で動物病院に連れて行った。生後2カ月くらい、ひどい猫風邪をひいて体力を消耗していたが、他に大きな問題がみつからず、大学生はペット不可のアパートに住んでいたため、譲渡サイトで里親を募集した。 

最愛の猫、ハムちゃんにそっくりの子猫

ツナちゃんが保護された頃、山口県に住む橋本さんは、14年もの間一緒に暮らしてきた最愛の猫、ハムちゃんを亡くしたばかりだった。来る日も来る日も悲しみでいっぱいになり、譲渡サイトを閲覧して、ハムちゃんに似た子を探しては涙にくれていた。

「譲渡サイトでハムちゃんに似ている子を見ているだけで気が紛れました。ある日、たまたまツナちゃんのことが目に留まり、あまりにもハムちゃんに似ていたのと、保護した大学生が近くに住んでいたので、すぐに連絡して譲渡してもらうことにしたんです」

橋本さんは、近所のコンビニで大学生と待ち合わせをして、息子さんと一緒にツナちゃんを見に行った。

ツナちゃんは、譲渡サイトで見たとおり、ハムちゃんにそっくりの猫だった。橋本さんは、翌日キャリーを持って、ツナちゃんを迎えに行った。

チャームポイントはくせ毛

7月17日、橋本さん宅に来たツナちゃんは、保護されてから間もないこともあり、まだ猫風邪の治療中だった。橋本さんが仕事から帰ると、目やにでまぶたがくっついていて、目が開かなくなっていることがたびたびあった。

「なぜか被毛がクリクリしていて、最初は栄養失調かと思い、サプリメントを飲ませましたが、一向に効き目がなく、もともとくせ毛だと分かりました」

そのくせ毛がいまではチャームポイントになり、インスタグラムに写真をアップすると、可愛いと言ってもらえるように。

2019年7月、2歳2カ月になったツナちゃん。橋本家には4匹の猫がいるが、一番のお姉さん猫に。毎日、家族を癒してくれている。

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