犬猫に手作りごはんのすすめ…まずは気軽にトッピングから始めよう

小宮 みぎわ 小宮 みぎわ

 犬と猫の生物種の特性にあわせて、手作りのごはんをつくってみませんか。自然に近い理想的な食事は、健康に良いだけでなく、動物も楽しんでおいしくワクワクして食べることができます。気軽に始められる方法について、動物の栄養に詳しく、獣医師や飼い主さんたちに犬猫の健康的な食事について広める活動をされている荒木幸子先生に伺いました。

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 犬と猫にあわせた手作りごはんをつくる上で、生物の「種の」特性にあわせて配慮を行うことは欠かせません。前回の記事では気をつけるべきポイントを5つ紹介しました。1)肉食を意識した食材のバランスを、2)カルシウム源を必ず加える、3)内臓肉を加える、4)野菜はすりつぶすかピューレ状にする、5)食材はローテーションする…。

 ただ、これらに配慮しながらいきなりすべて100%手作りのごはんを用意することはハードルが高いかもしれません。お家の子に合わせた食材の分量の計算もしなくてはいけませんし、食べ慣れていない食事をいきなり始めると、犬や猫に下痢や嘔吐の症状が出る場合もあります。

 そのような場合にオススメしているのが、気軽にはじめられる、新鮮食材を使ったトッピングです。具体的な方法としては、普段ドライフードを与えていのであれば、フードを2割減らし、減らした量(グラム)の2倍量の肉・魚・卵などをトッピングするのです。

 食事の2割程度のトッピング割合であれば、全体としての栄養バランスを気にせずとも、気軽に手作り食のメリットが体験できます。トッピングが食事全体の3割を超えてくると、もはやトッピングではなく食事の一部となってくるため、カルシウムなどの補足が必要になってきますので注意してください。

例:ドライフードを1日100g与えている場合。

減らすドライフード 20g

加えるトッピングの量 40g(減らした量20gの2倍)

 市販のドライフードには糖質(炭水化物)がすでに十分含まれているものが多いため、糖質過多にならないためにもトッピングには動物性の肉・魚・卵など、新鮮な食材から肉食動物にとって欠かせない必須・準必須のアミノ酸を豊富に補給できるものがオススメです。

 人間の食材で犬猫に与えられるものは沢山あります。食材は人と共有できますが、人の料理の味付けは犬猫にとって塩分・糖分が多すぎますので、味付けした人間の食事は与えないのがよいです。

 注意点としては、家庭では安価な鶏肉が好んで使われることが多いのですが、鶏肉はオメガ6脂肪酸がオメガ3脂肪酸に比べると多いため、皮膚炎などの炎症を促進するともいわれています。偏らず、牛や豚、他の肉、そして魚や卵もいろいろローテーションしましょう。

 特に旬の青魚(イワシやサンマ)は、DHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸が豊富ですのでおすすめです。新鮮な魚が手に入らない場合には、サンマやイワシの水煮缶(人用)を利用するのも便利です。「え!缶詰の塩分は大丈夫なんですか?」と驚く飼い主さんも多いのですが、トッピング量程度であれば全体としては許容範囲です(ナトリウム制限している子は獣医師と相談のこと)。卵もアミノ酸のバランスが優秀で手軽ですのでおすすめの食材ですが、アレルギーが出やすい食材でもあるので毎日続けて与えないようにしましょう。

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