「守るべきはだれだ」逮捕された教員が勤務する学校側の問題 群馬県の女子生徒監禁事件

夜回り先生・水谷修/少数異見

水谷 修 水谷 修
学校の危機管理や生徒保護の体制はどうだったのだろう(Tomasz Zajda/stock.adobe.com)
学校の危機管理や生徒保護の体制はどうだったのだろう(Tomasz Zajda/stock.adobe.com)

群馬県で10代の女子生徒を車に監禁した監禁容疑で内田慎也容疑者(27)が逮捕された。内田容疑者は女子生徒が通う県内の私立中教員。逮捕時には車内にスタンガンがあり、「わいせつ目的でやった」などと供述していることが判明して衝撃が走った。教育家の水谷修氏は自身の経験を踏まえ、学校側の対応など問題点を指摘した。

   ◇  ◇

群馬県で、中学2年生の女子生徒が、担任によって拉致され、車に監禁されるという事件が起きました。私は、長年、高校の生徒指導担当として、また、今は、子どもたちからの相談を受ける研究所の所長として、教師が引き起こす、数多くの問題に取り組んできました。

生徒との不適切な関係や、暴力などのケース、犯罪としては、山形県の高校教師による他校生徒への連続暴行事件など、数多く扱ってきましたが、このような計画性のない、衝動的な犯罪は、初めてです。教師にとって、自校の生徒に対して犯罪を犯すことは、確実に露見し、逮捕されることは自明であり、また、多くの教師にとって、生徒は守るべき大切な存在であり、傷つける対象ではありません。

今回、この教師には、何らかの精神的な問題があった可能性が高いと私は考えています。それにしても、最悪の事態に至らなかったことは幸いでした。

しかし、この事件後の、この教師の勤務していた学校の対応には、問題しか感じません。校長や学年主任等による正式な記者会見が行われることなく、教頭と称する人物が、マスコミの取材に答えています。かつて、女子更衣室を覗いたという生徒たちからの訴えに対しても、この教師からの聞き取りで誤解だと決めつけ、生徒の胸を触ったという親からの情報に対しても、被害生徒からの訴えはないとそれでおしまいにしています。だれが、どのような調査を行ったかも明らかにせず。いったい、この学校は、どのような学校運営をしているのでしょうか。

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