いまでもよく見かけるのはホンアジサイ。これをもとにヨーロッパで改良されたのものが逆輸入され、セイヨウアジサイと呼ばれている。大きくわけると品種は50種類、園芸品種を加えるとなんと2000種類を超えるという。
最近の人気品種となると、たとえばダンスパーティは日本に分布するガクアジサイとアメリカの園芸種をかけあわたもので、相楽園でも見られる。ガクアジサイに比べて装飾花の数が多く、美しくあでやかな品種だ。シュガーホワイトはその名のとおり白いアジサイで、オランダでつくられた。白いアジサイといえばアナベル。房状の花は20cm以上になって見ごたえがある一方、花の一輪一輪は小さく、繊細で柔らかな印象がある。これは園芸品種ではなく、アメリカ・イリノイ州のアンナ市の近くで発見された野生種だ。
アジサイが世界でもっとも親しまれているシュラブ(低灌木)ともいわれるのも、品種の多さが大きな理由だ。京都市上京区のアジサイ専門店「アジュール」で聞くと、ドライフラワーにすれば「もとの色が抜け、くすんだようなアンティーク感がでて、素敵な雰囲気です」とのこと。踏みこんでいけば、なかなかに奥の深いアジサイの世界がありそうだ。