雨の多い季節になりました。昨年の西日本豪雨から1年が経ちますが、その犠牲となった方の多くは高齢者でした。高齢者や障害者、妊婦や子どもを連れて逃げる方など、発災時に即座に動くことが難しい方にとっては日ごろの備えはとても大切です。今一度身の回りの備えを考え、確認してみましょう。
避難のタイミング
災害といっても地震・津波・洪水などいろいろですが、台風や大雨による水害はある程度前から予報を知ることができる点で、直前の予報でしか知ることができない地震や津波よりも、身を守る行動はとりやすいものです。まず、台風や大雨の際には天気予報をチェックして、今後の予報に目を向けることが大切です。
避難が必要な状態が近づいてきた場合、携帯やスマートホンへのメッセージやウェブ、テレビやラジオなどで、避難についての情報発令が通知されます。避難をするように伝えるメッセージは「避難勧告」が知られていますが、その前段階として「避難準備・高齢者等避難開始」情報が発令されます。これは、『避難の準備をしましょう。高齢者等の避難に時間がかかる方、避難しにくい方は今から避難を始めてください』という意味ですから、高齢者や障害者、妊婦や子どもを連れて逃げる方など、避難に時間がかかりそうな方は避難を開始します。
災害時の避難に支援や配慮を要する方の避難は「避難準備・高齢者等避難開始」で避難所へ出発だと覚えておいてください。
日ごろの備えとしての持ち物・準備品の確認
避難をする必要が生じた場合、家を出る準備ができていると即座に行動に移せます。もし、家を出ようとしたときに、「財布がいる、薬がいる、保険証も、食べ物も、水も、携帯の充電器も、他何をもっていったらいい?」と探し出すと時間がかかります。行動を起こすには準備が必要であり、災害時避難の準備は日ごろから可能です。
非常用持ち出し袋として両手が自由になるリュックを用意し、必要なものを入れておきましょう。1週間分程度の薬、お薬手帳、保険証や手帳、家族の連絡先や緊急情報を書いたカード、小銭を含む現金、眼鏡や補聴器と電池、携帯電話の予備バッテリーや充電器など、運べる量を用意し、動きやすい靴や靴下、軍手や杖などと共に、持ち出しやすい場所に置いておきましょう。
水害の場合、必ずしも避難するとも限らず、自宅の二階等で過ごす場合もあります。自宅には、非常食や水を買い置き、1週間程度は買い物に行かなくても過ごせるストックを作っておきましょう。
障害者や高齢者の災害への備えを考えるツールは、国立障害者リハビリテーションセンター研究所が『自分でつくる安心防災帳』を開発し、ウェブで公開しています。