「子供のころから、私ははぐれ者で、世の常識に付いていけなかった。ゴルゴは蟻1匹の命も人間1人の命も比重は同じなんですよ。非常識な人間です。自分の中にある観念で生きている。そんなん生きていけませんよ、普通の社会では。本来なら私みたいな人間も、まともに人間社会で生きていけないが、なんとか生きてこれた」。自らを生かしてくれた創作活動に、自身とその分身であるゴルゴ13を重ねた。
「50年、よくぞ読んでいただきました、とお礼を言わないといけません」。連載は続く。「生きている間、描ける間は続けていきたい」。さいとう氏は、生涯現役を貫く。
同展は11月30日まで。初公開となる原画60点、門外不出だったという、さいとうプロダクション内の“武器庫”に保管されていたモデルガン、ゴルゴ13愛用「アーマライトM16」の体感コーナー、さいとう氏の仕事場再現コーナーと盛りだくさんだ。