ピカチュウの声にそっくり カメの鳴き声…これまでの常識覆すカメ学の進化

広畑 千春 広畑 千春

 「これは、ふ化したばかりのアオウミガメの子ガメの声です。カミラ博士はさらに、ウミガメの仲間のオサガメやアオウミガメも鳴き交わしていることを突き止めました。オサガメは、アオウミガメより小さな声で『ピュ』と鳴いています。かわいいでしょう?」(同)

 同水族園では、先代園長で、NPO法人日本ウミガメ協議会前会長・亀崎直樹さんのもと、両前足(ヒレ)に義肢を着けたアカウミガメ「悠ちゃん」や外来種のミシシッピアカミミガメの問題、ニホンイシガメの保護などに取り組んできたといい、会場には世界や日本のカメのことが一目で分かるパネルがずらりと並ぶ。素人にはお腹いっぱいになりそうな情報量だが「これでも、かなり削ったんですよ」と石原さん。「カメと一緒にカメ好きの人間も集まるようになった」そうで、石原さん本人も「大型のウミガメでも脳みそは大人の小指ぐらいしかないんです。なのに、どうやって回遊とかコミュニケーションとか複雑な動きをしているんだろう…って。すごくないですか?」と目を輝かせる。

 ちなみに、同水族園では6月8日から30日までの土日に、一般家庭で飼育されているカメの声を録音する特別企画「きみのカメは鳴いている?」を開催(2週間前までに予約が必要)。集まった「声」をもとに、カメの音声コミュニケーションの研究をもっと深めていきたいという。

 ほら、耳をすませば、あなたの家や身の回りのカメも鳴いているかも、しれませんよ?

神戸市立須磨海浜水族園 http://sumasui.jp/

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