ーあ!やっぱり!ブームに乗っかっただけなのでは…。
「いえいえ、それだけではありません。当社は地元・熊本で醤油のシェア・ナンバー1ですが、地域の人口がこれから減っていく中で、消費量が減っていくことが目に見えています。企業の存続のためには、全国・海外にマーケットを広げる必要があります。『透明醤油』はそのための、新しい『提案型の醤油』でもあるのです」
ー新しい提案型の醤油、ですか?
「醤油を和食の中で活用してもらおうとすると、既存の商品とバッティングしてしまいます。そこで『和』を脱却し、『洋』でも使ってもらえるように考えました。洋食の代表といえばフランス料理ですが、一皿一皿の色合いの美しさが印象的ですよね。透明だと食材の色合いを損なうことがありません。隠し味に使っても色が暗くなることがありませんし、さまざま利用方法が広がると思います」
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同社のホームページなどを見ると、透明醤油を活用したレシピの事例が紹介されています。「醤油ジュレのカルパッチョ」「醤油パスタ」「マグロの漬け」…そして、衝撃的なのは「みたらし団子」。黒褐色の色味がなくなるだけで、こんなに印象が変わってしまうのかと再認識できます。
筆者も卵かけご飯(あああ、なんかチープでごめんなさい)に使ってみましたが、卵の黄色の美しさがそのままで、とても感激しました。ただ透明なので、どれくらい入れたのか分からなくなりそうでしたが…。
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…さて、同社担当者の話は続きます。
ー食べてみて、ネットなどでは「やさしい味わい」だという人がいます。
「九州の醤油は甘みが強いのが特徴ですが、いろいろな料理に使ってもらえるよう、辛口にしています。しかし、うま味成分が強いので、だし醤油のようだという方は多いですね。当社の醤油は、関東の大手メーカーのものよりも塩分が低いこともあり、そのあたりの口当たりのよさを感じてくださっているかもしれません」
ー実際どれくらい売れていますか。
「2月に販売を開始しましたが、これまでに8万本を売り上げており大ヒットとなっています。出荷が追いつかないときもありましたが、5月、6月は生産予定数を大きくしています。4月からは1リットルの業務用商品も販売を開始しました。さまざまな利用方法をこれからご案内していきたいと思っています」
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購入は全国の百貨店・スーパー、もしくはオンラインショップで。