“紀州のドン・ファン”こと資産家の野崎幸助さん(77)が5月24日に自宅で死亡し、体内から覚醒剤成分が検出された事件で、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は7日、デイリースポーツの取材に対し、野崎さん宅の60代家政婦の証言を詳細に分析。さらに野崎さんが口から覚醒剤成分を摂取していたと発表されたことを受け、カプセルによる摂取であれば、自宅にいた妻(22)と家政婦以外の“第三者”が介在している可能性を示唆した。
2日午前に和歌山県田辺市の野崎さん宅で直撃した家政婦とのやりとりは次の通り。
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小川氏「社長は覚せい剤をやっていたと思いますか?」
家政婦「いいえ、思いません。そういう人じゃないです」
小川氏「それなら、どうやって身体に覚せい剤が入ったのかな?」
家政婦「そうですよね…。それはなんとも。多分、若いお嫁さんをもらったものだから、少し張りきろうとして、昔付き合った人が捨てていったものを、口に入れたのかなと思ったりした」
小川氏「失礼な質問をしますね?◯◯さん(家政婦の本名)は覚醒剤で警察に捕まったことがありますか?」
家政婦「ないです」
小川氏「覚せい剤をやったことは?」
家政婦「ないない、やらないです」
小川氏「回りで覚醒剤で捕まった人や、やっている人いますか?」
家政婦「いないです」
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小川氏は「『口に入れた』と聞いた時に『えっー』と一瞬思った。覚醒剤反応が出たことは発表されていたが、注射だったのか、飲んだのかについて警察はまだ言っていなかった。実際、胃の中から覚せい剤の成分が検出されたのは4日夕方で発表は同日夜。2日の時点で、口から入れたことが分かっていたのかと、私は引っ掛かった。なぜ『口に入れた』という発想ができたのか。そこに違和感を覚えた」と指摘した。
そこで焦点となるのが口からの摂取方法だ。小川氏は「ビールに入れて飲むとかなり苦い」とし、健康サプリメントなどのカプセルに覚醒剤成分を混入した可能性にも言及。「野崎さんが第三者から渡されたカプセルを飲んだ可能性はゼロではない。(報道では)家政婦と妻の2人だけが注目されているが、その2人以外の第三者から『健康のためだ』と渡されている可能性は否定的できない」と新たな見解を示した。
日頃から健康に人一倍気を遣っていたという野崎さんだけに、説得力のある仮説となる。和歌山県警は慎重に捜査を進めている。