なぜ「八十八夜」のお茶は縁起が良い?日本人が好む「八」という文字

八十八夜の頃に摘まれた茶は昔から縁起がよいとされてきた(udonsuki/stock.adobe.com)
八十八夜の頃に摘まれた茶は昔から縁起がよいとされてきた(udonsuki/stock.adobe.com)

 「夏も近づく八十八夜」と唱歌にも謳われている「八十八夜」。ご存じの方も多いかもしれないが、これは雑節の一つで、立春から数えて88日目にあたる日のこと。つまり今年なら5月2日を指す。例年、茶摘みが最盛期を迎えるように、「八十八夜」と「茶」には切っても切れない深い関係がある。

 ではなぜ、立春から88日なのだろうか?一説には「八」という文字に起因するという話がある。

 八十八は、末広がりの字が重なっており、昔から縁起が良いとされてきた。そこから“この日に摘み取ったお茶を飲むと長生きできる”という言い伝えがあるのだという。また、八十八を重ねると「米」という字になり、農作業を始めるのに良いという縁起担ぎも。八十八夜と米寿(88歳)を大切にし、お祝いする風習もその名残だろう。

 昔から八十八夜に摘み取られたお茶は“柔らかくて質が良い”とされ、神仏に供えたり、目上の人に差し上げる習わしがあった。実際にお茶専門店の関係者に聞いてみたら「最初に摘みこんだ茶葉を一番茶と言い、香りも旨さも抜群。4月下旬から5月中頃のもので、つまり八十八夜の頃に摘んだもの」とのこと。ちなみに「二番茶は6~7月に摘んだもの、三番茶は8月に摘んだもの」(同関係者)だそうだ。

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