タイで特殊詐欺に関与したとみられる日本人男性15人が逮捕された事件を受け、警察庁などは16日にタイ警察と情報共有のために捜査員を現地に派遣した。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は19日、デイリースポーツの取材に対し、こうした日本警察の海外における捜査の実態を説明し、今後の逮捕などに至る展開を予測した。
ICPOルートと外交ルート
小川氏は「私も、警察庁刑事局刑事企画課に在職中、韓国の警察庁に出張捜査に行った経験があり、その時も3名の捜査員でした。基本的に、日本警察は海外での捜査権を持たないため、日本警察が独自で捜査はできません。だが、ICPO(インターポール=国際刑事警察機構)ルート、または外交ルートで、日本警察(警察庁)が海外の警察に出張捜査に赴くことは実は多々あるのです」と解説した。
日本の警察はタイでどのような行動を取るのだろうか。小川氏は「今回の場合、タイで逮捕された15名の日本人を直接取り調べたり、供述調書を作成することはできないが、タイ警察に取り調べ内容や聴取事項をリクエストすることは可能です」と説明。「押収品を見せてもらうことはもちろん、必要があると思われる(特殊詐欺の)証拠品を日本警察に送ってもらうこともできます」と補足した。