大阪のタクシー事情が大きく変わりそうだ。あの米配車大手「ウーバー」と大阪最大級のタクシー会社「未来都」(門真市)がタッグを組み、スマートフォンアプリを使った配車サービスを、23日から大阪府内で始めた。果たして右肩下がりのタクシー業界のカンフル剤となるか。
空飛ぶタクシーにも関心
ウーバーの配車アプリは世界65カ国600以上の都市で1日1500万回も利用されている。国内では2014年に東京でハイヤーの配車をスタート。昨年9月には名古屋市のタクシー会社と組み、サービスを始めた。兵庫・淡路島では今年3月まで実証実験を行い、今後は仙台、青森も視野に。さらには自動運転、空飛ぶタクシーにも関心を示す。
タクシー会社「未来都」は1960年に創業。大阪府下に10カ所の拠点を持ち、タクシー642台を所有する。現在、配車アプリに対応できるのは485台とのことで今後は順次対応できる台数を増やすという。
最初に誘ったのは未来都側。だが、そこには難問があった。ウーバーが急成長したのは客を有料で乗せる自家用車を手配するライドシェア事業。日本ではいわゆる「白タク」とみなされ原則禁止されており、タクシー業界からは白い目で見られていた。
実際、未来都の笹井大義代表取締役COO(28)も「当初はアレルギー反応があり、なぜウーバーと組むんだ、という声もあった」と言う。しかし、ウーバーが日本国内ではタクシー配車に重心を置いたことで方針転換。「世界的なブランド力があり、スケールメリットがある。もちろん、スマートでスピーディーに配車できる」としてコンビを組むことになった。