以上の通り、勾留を認める実質的な理由が全くないので地裁が請求を却下し、坂口は釈放となった。北村弁護士は「本件のような事情、特に被害者が坂口さんの身柄を拘束できたようなケース(私人による現行犯逮捕)では、却下となったのは当然のこと」とし、合わせて刑事司法における問題点を指摘。「この程度の罪状・状況でも勾留を認める裁判官がいる。人権と捜査の必要性とのバランスについて真剣に考えているのかと疑わざるを得ない」と述べた。そういった裁判官の数は少なくない。その意味では坂口は幸運にも良心的な裁判官にあたり、釈放となった。そうでなければ今も勾留されていても不思議ではなかった。
検察は今後、在宅で捜査する。起訴となるのか不起訴となるのか。北村弁護士によると坂口が前科もなく、これまでに同様の事件(余罪)も一度もなかったとすれば不起訴もあり得る。ただしその場合、脅しの材料となった写真を返したり、あるいは削除したり、真摯な謝罪をすることが必要だ。
ただ、起訴されても初犯であれば執行猶予が付くことは間違いないという。