お風呂でも読める「新聞」を1日限定発行 読後は入浴剤に!活字文化の新たな世界!?

北村 泰介 北村 泰介
お湯につければ入浴剤になる「いい湯新報」。1日限定企画として“発行”された(提供・河北新報社)
お湯につければ入浴剤になる「いい湯新報」。1日限定企画として“発行”された(提供・河北新報社)

 同社は「今回の取り組みの背景には第71回新聞大会(10月・仙台市)の関連広告企画があります。弊社では12ページの別刷り『定年GO!』を10月16日に発行しました。“はたらく人と新聞”というコンセプトで構築した広告企画で、その一環として入浴剤で疲れを癒してほしいという着想で特別に製作したプレゼント用のノベルティ。国内で入浴剤を製造販売している企業に相談して製品化されたものです」と説明した。

 さらに詳細をうかがうと、「A4サイズより小さいサイズで漫画『ワンピース』の“WANTED”と書かれた手配書をお子様向けとして石鹸にプリントした既存の製品があり、それをブランケット版(通常の新聞)サイズに薄く大きく伸ばしたもの」という。つまり新たなメディアを目指すものではなく、あくまで入浴剤の一形態に過ぎないのである。

 それでも…だ。紙媒体が厳しい時代にあって、風呂場という限定空間とはいえ、活字文化の新たな世界を切り開く、ささやかだが、一つの起爆剤となるツールたりうる可能性が潜在しているではなかろうか。往生際が悪いと思いつつも、そんな質問を投げかけた。

 同社は「新聞というメディアを取り巻く市場環境が年々難しいものになっていく中で、新聞という商品のプロモーションに使えるツール・手法の一つかもしれません。意外性や面白さで普段、新聞を手にとらない消費者に関心をもってもらう一助になる可能性はありましょう」と同業者として理解を示した。

 夢物語もいつかは現実になるかもしれない。そんなことを思いながら、また湯船につかって新聞を読むのだ。

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