喫煙率が年々低下し、受動喫煙の問題が注目されるなど、近年、たばこに向けられる目は厳しさを増す一方だ。JTは00年代はじめ頃から「(喫煙者と非喫煙者の)共存社会の実現」を掲げ、コラムの内容にも、喫煙マナーや他者への配慮を意識的に盛り込んできたという。タイトル変更の話が持ち上がったのは今年の秋頃で、「創刊3000号」と「平成の終わり」という大きな区切りを迎えるこのタイミングで、多様性を認め合う共存社会のニュアンスを込めた「たがいのみらい」としてリニューアルすることになった。
JTの担当者は「吸う人、吸わない人、どちらにもご登場いただいたが、愛煙家の方は昔の『いい時代』を思い出しながら話すことが多いように感じた。嗜好品であるたばこが、その方の大切な記憶と結び付いているのだと感慨深かった」と振り返る。
タイトルは変わるが、「喫煙室でくつろいで話す」ようなコラムのテーマは変わらないという。JTは週刊新潮でも同様の広告企画コラム「あ、ちょっと一服いいですか?」を連載しているが、こちらも同じタイミングで「そういえば、さあ」に変更する。ちなみにJTは先日、1965年から続けてきた「全国たばこ喫煙者率調査」を2019年以降は実施しないことを発表。平成の終わりと共に、たばこを巡る風景がまた大きく変わることになる。