新年を迎え、初詣でごった返す神社やお寺などで例年、スリ被害が多発する。また、帰省や旅行中の乗り物での置き引きや留守宅への空き巣などの窃盗も増えてくる。この時期ならではの多発する犯罪について、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が防御策を解説した。
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年始はスリ犯の一番の稼ぎ時といわれている。初詣の三が日、混んでいる神社やお寺では人とぶつかっても、肩が当たってもそれほど違和感がない。遠方から来る人も狙われる。遠方の人は旅費や滞在費など普段よりお金を多く所持しているので、プロのスリは地元の人か遠方の人かを瞬時に見分けるのだ。
気を付けたいのは神前で手を合わせ拝むときである。お金をふだんより余分に持って正装し、神前で手を合わせる時はカバンを下に置きがちだ。カバンを腕にかけたまま手を合わせるのは神様に悪いと思って。そこが危ないのだ。
目をつぶって手を合わせ、熱心にお祈りしている間は足に何かが当たっても気づかない。カバンを開けられて中の財布をサッとすられてしまう。もし、足元に置くのならば、財布はカバンの下の方に入れておく。財布をカバンの底から取り出すのがめんどくさくなるので、それが対策となる。
それよりも確実なのは、財布の入ったカバンをたすき掛けにし、自分のお腹のあたりに置いていおくこと。後ろにしておくとすられてしまうので意味がない。