ある医師が経験した不思議な話 解決できない問題の“教訓”かも

町医者の医療・健康コラム

谷光 利昭 谷光 利昭
不思議な話はどんな世界にもあるようです
不思議な話はどんな世界にもあるようです

 私が知っている実例です。数年前に頚椎(けいつい)に黄色ブドウ球菌が繁殖した人がいて、手足が動かなくなる一歩手前の状態で救急車を呼び、一命を取り留めました。しかし、術後に告知された言葉は残酷です。一生寝たきり、よくて車椅子でしょう…。損傷部位から下の部分が完全に麻痺し、手足を動かすことも、排泄(はいせつ)も自分の意思で行うことはできませんでした。

 我々、医療サイドの人間は淡々と患者さんに説明をします。少しでも早く現実を受け入れて、これからの人生を前向きに生きて頂きたいと。ただ、首から上しか動かない状態で生きていくことは、健常人からは想像もつかない辛さがあるでしょう。それも、昨日まで普通に生活をすることができた人が…。

 ところが、数年たった現在、その方は自力で歩行をして、健常であったときよりも素晴らしい能力を発揮されています。私の人生の師匠である人が、そのように導いたのです。その人は医師ではありません。にわかに信じがたいですが、映像もすべて残っています。これは実際にあった話なのです。

 現代科学は急速に進歩発展していますが、世の中のほとんどは未知の世界だとも言われています。医学界においても同様だと思います。人の遺伝子がすべて解明され、人類が火星に降り立つまでになったとしても、まだ解決できない問題が山積みです。不思議な話といのうは、ある意味、それらの教訓なのかもしれません。私たちは事実を謙虚に受け止め、日々勉強していかねばならないのだと思います。

 これらの事実は、季刊「道」183号に詳細が記されています。ご興味がありましたら一読して頂き、今後に役立ててもらえればと思います。

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