両者の舌戦にジムやテレビ局の思惑が絡まり、最後は大阪-名古屋対決の様相に。視聴率は関西地区で平均43・8%、名古屋地区では平均52・2%を記録し、瞬間最高は65・6%に跳ね上がった。
「辰吉の凄さはロープ際へ追い込んだときの回転の速いパンチ。それをはね返すロープワークも練習したし、ほぼ作戦が当たりました」
壮絶な流血戦の結果は2-0で薬師寺さんが判定勝ち。辰吉の弱点だった目を容赦なく狙う「アイ・オブ・ザ・タイガー作戦」に右アッパーが効果を発揮した。
「もう24年前のことですが、今でも会う人に、あの試合のことを聞かれますからね。(前述の)森のデビュー戦もあえて12月4日にしたんですよ」
今年の10月11日には18歳下の妻との間に男児が誕生したばかり。まだまだリングを降りるわけにはいかない。