“市長にカンチョー”イベントを実行した市幹部が早期退職

広畑 千春 広畑 千春
参加者から「“エア”カンチョー」を決められる神戸市の久元喜造市長=神戸市内
参加者から「“エア”カンチョー」を決められる神戸市の久元喜造市長=神戸市内

 それから約1カ月。異動時期が迫る中、衣笠さんは無事だったのか、市長の逆鱗(げきりん)に触れなかったのか恐る恐るたずねたところ、「市長からはおとがめはありません」という回答が返ってきた。それなのに早期退職し、第二の人生をNPO活動に捧げる決意を固めたという。

 入庁以来、32年の公務員人生でできなかったこと。「予定調和」や「あるべき姿」とはまた違う、「訳分からなさ」の力。「世の中を良くするのは『正しいこと』ばかりじゃない。この年齢になるとなかなかできないけれど、実はアホなことがしたくてウズウズしている人は多いはず。そんな人たちを知ってか知らずか巻き込みながら、とにかく面白いことを思い切りやって、生活を豊かにしていきたい」と、真面目に意欲を燃やしていた。

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