4月1日の新元号の公表、5月1日の改元が間近に迫り、いよいよ「平成」時代も残り少なくなってきた。ここへきて、にわかに活気づいているのが「平成グッズ」市場だ。国立公文書館(東京)では、昭和から平成への改元時、当時の内閣官房長官・小渕恵三氏が掲げたあの「平成」の書をデザインしたクリアファイルがSNSなどで話題になったこともあり、現在も好調な売れ行きが続いているという。そんな中、土壇場のこの時期に、ハンドタオルやチョコ、饅頭、トランプなど一挙13アイテムを売り出そうとしている会社が大阪にある。平成、あと1カ月半くらいで終わるはずだが、大丈夫なのだろうか。
その会社とは、「忖度まんじゅう」など数々のユニークなアイデア商品で知られるヘソプロダクション(大阪市福島区)。2月中旬にチロルチョコとコラボした「平成DECOチョコ」、白地に「平成」の文字が黒くプリントされた「ハンドタオル」を先行して売り出し、今月8日以降はさらに饅頭やクッキー、トランプ、キーホルダー、下敷きなどを全国で順次、どどんと発売していくというのだ。
改元まで残すところ50日余り。限られた日数での短期決戦になる見込みだが、数多のヒット商品を生み出してきた稲本ミノル社長にはこんな勝算がある。曰く…
・平成グッズの需要は、新元号が公表される直前の3月末に一気に高まる
・公表後、4月はしばらく新元号フィーバーが続く
・ところが4月中旬から末にかけて、また平成の波が来る
・しかも今度は、えげつないほどのピークになる!!!
「聞くところによると、昭和から平成に改元されたときは、キーホルダーなどのグッズがめっちゃ売れたらしいんですよ」と語る稲本社長。「今回はもっとすごいことになりそうな気がする」
「新語・流行語大賞」ともコラボしており、クッキー、饅頭、クリーム大福には、それぞれ受賞作がデザインされた缶バッジやクリアファイル、シールをおまけで封入。トランプはもちろん1枚ずつ「失楽園」「だっちゅーの」などと印刷された仕様で、話のネタになるのは間違いなさそう。稲本社長は「みんなで平成を語ろうというのが最大のコンセプト。最後の盛り上がりに一役買えれば」と話す。
ちなみに、稲本社長が一番気に入っているのは足の裏と甲の部分に「平成」をプリントした靴下、その名も「平成で下(した)」。平成を踏みしめて、新しい時代へ歩き出そうというメッセージを込めたそうだが、「正直、誰が履きたいねんと思う」。さあ果たして靴下は売れるのかどうか。平成最後の平成グッズ商戦が、本格的に幕を開ける。
◆ヘソプロダクション https://www.heso-pro.com/