透き通ったスープの恐るべきコク「牛骨ラーメン」
鳥取市内から西へ約1時間車を走らせ、鳥取のご当地ラーメン「牛骨ラーメン」の名店「香味徳(かみとく)」(琴浦町)へ。ロードサイドの看板には「お食事処」と書かれ、牛骨アピールもありませんが、地元の人たちがひっきりなしに車で訪れ、牛骨ラーメンを注文していきます。黄色く透き通ったスープを一口含むと、コクが広がり、目が覚めるうまさ。豚骨ラーメンのようなこってり感はなく、スープをごくごく味わいながら箸が進みます。
店主の紙徳武男さんは御年83歳。先代の父親から受け継いだ味を守り続け、息子達は東京・銀座やハワイで店を開いているんだとか。「牛骨ってもっとしつこい味かなと思われるけど、あっさりした味を心かげているんです。牛骨は大きいから、一日中ダシが出ますよ」。3連休などは開店前から客が並ぶそうなので、行列が苦手な人は平日を狙ってみましょう。
ブナの原生林が残る大山を歩く
お腹を満たし、いざ中国地方最高峰の大山(だいせん)へ。ふもとにある大山町観光案内所へ車を止め、大山ツアーデスクの車浩一さんの案内で山の中へ入っていく。「平地に比べたら5度は下がりますよ」という車さんの言葉通り、冷涼な空気が心地良い。神の宿る山として入山が規制されてきた大山は、西日本最大級のブナ林が残ります。
「ブナはダムのように保水力が高く、ブナの葉によって作られた腐葉土が雨水を濾過(ろか)して、きれいな水をつくっているんです」と車さんの説明を聞いていると、何気なく見上げていた木がありがたいものに見えてくるから不思議なものだ。緑濃きブナの原生林をトレッキングしながら、長さ日本一という自然石の石畳を歩き、千年以上の歴史を誇る大山寺を参拝する。今回は3時間コースをお願いしたが、さくっとメジャーどころを回る1.5時間コースもあるので、スケジュールに合わせて調整も可能です。
温泉と会席で旅の疲れを癒やす
トレッキングの後は鳥取県西部へ足を延ばし、米子市の皆生(かいけ)温泉のホテルで一泊します。客室100室を誇る皆生グランドホテル天水は、オーシャンビューの客室をリニューアルし、ベッドから日本海を望むことができます。大浴場で旅の疲れを癒やすと、会席ではカニの酢の物や炊き込みご飯、刺身の盛り合わせなど地元の海産物を心行くまで味わい、波の音を聞きながら眠りに就きました。