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ガラスをたたく、人形を揺らす、ライトを振る……過剰な刺激でホッキョクグマ体調不良 天王寺動物園が“あおり観覧”を警告 「刺激しないで」飼育担当の思い

茶良野 くま子 茶良野 くま子

大阪・天王寺動物園の新ホッキョクグマ施設「ポーラーベアコースト」で暮らす5歳のメス、ホウちゃん。新たな環境にも慣れ、独特なダイブや気合いの入った遊びっぷりを多くの人がSNSで共有し大人気です。ところが、気を引くためにわざと刺激する人がいるようで、真新しいプールの柱にこんなお願いが貼られてしまいました。

◇  ◇

「動物がその子らしく暮らすためのお願い」

 動物を刺激せず、

 そーっと観察してみよう!

 もし、自分に向かって飛び込んできたら

 何かが刺激になっているのかも…

 一歩下がって見てみてね

◇  ◇

さらに水中が見られるプール前も規制される事態に。いったい何が? 守るべき観覧マナーとは? ホッキョクグマ飼育担当の小泉まなかさんに聞きました。

ージャンプが豪快すぎた?

「ホウちゃんがガラスの向こうにいる人の動きに反応してプールに飛び込んで、ガラスにぶつかる時もあって。今のところケガはないですが、危ない飛び方をすることがあります。私たちがおやつを入れる時はガラスから離れた位置に飛び込む想定なので安全なのですが…。いろいろ刺激されてホウちゃんは便が少し緩くなったり、原因ははっきり分かりませんが体調面でも心配なことが増えました」

 ーホウちゃんは楽しいのでしょうか?

「刺激になるものが見えてそれに向かうのは本能的なことだと思いますが、気を引くために、抱っこや肩車したお子さんを揺らしたり、ぬいぐるみを振る方も多いです。ナイトズーではライトや光るおもちゃを振り回す方も多かったです。壁や柱の影から急に出てホウちゃんの反応を見ている人もいて。最初はたまたま反応されて楽しくて繰り返したのかなとは思いますが、真似する人もいて…」

ー人の動きによる刺激は良くないと

「ガラスの向こうで動いているものが欲しい、どうにかしたいのに取れない、どうにもならないのでホウちゃんはイライラします。そういう刺激をホウちゃんは喜んではいません。ペット感覚に近いのかなと思いますが、相手は野生動物なので、そこは線を引いてほしいなと思います」

 

また、同園では各動物舎で「静かに見て」「ガラスを叩かないで」などのお願いしていますが、特にホウちゃんのところでは、ホウちゃんの動きによって観覧側に大歓声が響き渡ることも。

同園運営課の岡田博之係長は「動物を見て楽しんでいるのをダメとは言えませんが、大人でも、遠足の団体さんでも、大声で騒ぎすぎるのは…。子どもさんの行動には引率の先生、保護者の方が気を配っていただきたいです。気になることがあれば警備スタッフにお声がけください」と話します。

ホウちゃんは2026年6月末に新施設に移動。8月初めから公開が始まり、外で休めるようになったのは中旬ごろでした。「お昼寝場所がなかなか定まらなくて、寝てくれるようになった時はほっとしました。ホウちゃんは大胆に見えて意外と繊細な部分もあったんです」と小泉さん。

毎日のエサは鶏肉、牛肉、野菜、果物に最近はサバ、イワシも。冬場には牛脂も加えます。最近お気に入りのおもちゃは、青い貯水タンク。「新しい物へは反応がいいですが、飽きるのも早くて。ホウちゃんが形を変えられるもの、壊すことができて危なくないものを選んでいます」

 11月には繁殖のため上野動物園からオスが来園予定で、「個体にストレスがあると揉めたりなどの原因にもなると思うので、 最大限サポートできるよう環境を整えていきたいです」と話します。

さらに高まりそうなホッキョクグマ人気。「動物園は、人が何かをして動物からのアクションを求める場ではないと思います」と小泉さん。

「『動物がその子らしく暮らしてるところを見る』というスタンスで、その姿を見てどう感じるかを大事にしてほしいです。遊んだりお昼寝したり、時にはちょっと退屈そうな時もあると思いますが、ホウちゃんがホウちゃんらしく暮らしてるのを見守っていただけるとありがたいです」

 ◇  ◇  ◇

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