演者が事務所を抜けてフリーになることは、決して簡単ではありません。ギャラの交渉やクライアントとのやりとりなど個の力を試される機会が多く、女性の場合は自分で身も守らねばならないケースも。正直なところ、事務所に所属をしているほうが「気がラク」なのですが、ここ数年はフリーランスへ転身するセクシー女優やグラドルが増加しています。
どちらも肌を晒す仕事に変わりはありませんが、フリー・事務所所属によって話が大きく変わるのがセクシー女優です。反対にグラドルはどの場合であっても、セクシー業界ほどの差はないとのこと。
では、元セクシー女優の筆者が、それぞれの業種がフリー化した後の王道的な活動コースを解説します。
フリーランスのセクシー女優は「フリーならでは」の動き方に
もともとセクシー業界は“事務所所属ありき”の世界なので、フリー女優の数は昔から少なめ。そこからAV新法(AV出演被害防止・救済法)というビデオ出演契約に関わる法律が施行されたことをきっかけに、フリーランスの女優が大手メーカー作品に出演するのが難しくなってしまいました。
適正ビデオの仕事が取りづらくなれば、稼ぐ手段は自主製作(同人)・ファンクラブ運営、撮影会がメインに。時にバーやコンカフェのゲスト出勤や風俗店勤務などで、収入をアップさせるのです。
事務所の力を使えないのは痛いですが、自由さを活かしきれるのがフリー女優のいいところ。髪色やネイルの規制もなければ運営するファンサイトなども選べて、「自分で動く力」が身に付きやすいでしょう。
ぶっちゃけると事務所に入って、来るかわからないオファーを待ち続けるよりも、可能性を広げやすいのは圧倒的にフリーの方ですので、適正ビデオへのこだわりがないのならこちらの方が稼ぎやすいですね。
フリーランスのグラドルは事務所所属と変わらない?
一方でフリーランスのグラドルですが、最近は「事務所に入っていないと雑誌やDVDの仕事をお願いできない」といった風潮がありません。もちろん一部出版社はバックレなどを恐れて所属者のみへのオファーに限定していますが、時代のせいなのか、多くのところはルールを改変しつつあるそうです。
フリーグラドルの動き方は主に撮影会やファンクラブ運営がメイン。彼女たちにとって撮影会はとくに重要で、ファンを増やすテッパンの仕事といえましょう。
人気の演者だと東京以外での開催や大きなイベントから声がかかるので、参加→ファンを増やす→人気の安定に繋げるのが一般的。お客さんがつけばDVD販売や雑誌掲載のオファーをもらえて、知名度を更に上げるのです。
事務所所属者とフリーの動き方がそう変わらないのが、セクシー女優との違いですね。ただグラドル事務所はギャラの中抜きがヒドい場合も多いため(苦笑)、会社を抜けた後に給料が倍に伸びるのもよくある話だとか……。
フリーランス化の未来と危惧すべき問題
自分の力で動ける演者が増えるのはたいへん素晴らしいことですが、問題は母数が増えすぎると従来のやり方が通用しなくなることです。
先ほど例として挙げたファンクラブ運営や撮影会などはメジャーな仕事で、フリー転身後は誰もがオーソドックスなものから取り掛かります。もちろん挑戦者に対する制限はないのですが、母数が多いとファンが分散し「やればある程度客が付く」とは言い切れない状況が必ずやってくるでしょう。
ライバルの数だけ戦いが険しくなり、何か一工夫凝らさねばいけない。どんどんチャンネル数が増えて挑戦者・脱落者が増えたYouTubeのような感じ……と考えてもらうと、分かりやすいかもしれません。
ファンも既に、演者のフリーランス化に慣れつつありますよね。すでに「またフリーの子が誕生したのね」と珍しく思わなくなれば、1人当たりの注目度が下がるのも悩ましい問題です。また媒体の大きなメディア出演に関しては、未だにフリーを避ける制作会社も少なくはありません。
フリーランスは自由だけれど、ある意味不自由。今現在は「ブーム」のような形になっていますが、いずれはまた不便さを感じて事務所に戻るケースも出てくると筆者は予想しています。もしお気に入りの女優さんやグラドルがいれば、その動向は常にチェックしておきましょう。
◆たかなし亜妖(たかなし・あや)
元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。