理不尽なカスタマーハラスメントが横行するこの現世では、『猫の手も借りたい』どころかもはや『仏の手も借りたい』状態なのかもしれません。漫画家・中村七朗さんの作品『接客修行!! 菩薩ちゃん』は、菩薩がコンビニのアルバイトとして働くコメディー作品です。同作の第1話が『日本一カスハラの多いコンビニでバイトする菩薩の話』としてwebアクションのX(旧Twitter)に投稿されると、約4400のいいねが寄せられています。
物語の舞台は『日本一クソ客が多い』とされるコンビニです。あまりにも理不尽な迷惑客が多いため、唯一のアルバイト・山田までもが辞めようとしていました。そのとき、まばゆい後光とともに菩薩が顕現し「迷える衆生(仏教において、救済の対象となる人々)よ…私を雇うのです」と告げます。
こうして向かいの寺の本尊である『菩薩ちゃん』は、アルバイトとして雇われることになったのでした。菩薩ちゃんによると、仏の心で接客すれば客も悟りに導かれるといいます。早速、迷惑客のひとりが菩薩ちゃんのもとに現れ、支払いの現金を投げつけてきました。しかし早々に耐えかねた菩薩ちゃんは、客の頬をなぐってしまいます。
「お客様は神さまだろァ!?」という客に対し「ウチ仏教だから」と、菩薩ちゃん曰く客を『救済』します。店長は菩薩ちゃんの様子に慌てますが、山田は尊いと感激したようです。しかし、救済のためとはいえ客をなぐるのは禁止だと店長に止められてしまいました。
そんななか、常連クレーマーの老人がやってきました。老人は店内に唾を吐き捨てながら、タバコの番号ではなく銘柄名だけを伝えて店員を急かします。すると、菩薩ちゃんは突然老人に向かって説法をはじめました。しかし老人は立腹し、それに対して菩薩ちゃんまで「来いよ衆生が!」と逆上してしまいます。
2人の乱闘が始まったコンビニ内で、山田は菩薩ちゃんの「ギャップが尊い…!」ときらびやかな目で見つめていたのでした。
読者からは「めっちゃ笑ったw」「迷惑客への返しが秀逸すぎる」などの声が寄せられています。そこで、作者の中村七朗さんに話を聞きました。
菩薩ちゃんはちょっと不思議で可愛い友だちみたいな感じ
―「菩薩が働くコンビニ」という、一見変わったテーマを描いたきっかけについて教えてください
漫画家志望として行き詰まっていた時期に思いつきました。もともと宗教や哲学に興味があって、“呪い”とか“文明”みたいなテーマの作品を投稿しては、落選してたんですよ…(笑)そこで「描きたいものは残しつつ、身近な場所から出発できないか」と思っていたら、コンビニに菩薩が来たんです。
―菩薩ちゃんというキャラクターを描くうえで意識していることや、注目してほしい部分はありますか?
菩薩ちゃんは、ちょっと不思議で可愛い友だちみたいな感じですね。すぐキレるところも含めて、ストレスフルな学校や職場にいてくれたら(色んな意味で)頼もしいかなと。
ただふとしたときに、「この子はやっぱり菩薩なんだ」という底知れなさも描くようにしています。かつて悟りに近づいた存在だけど、今は俗世に引っ張られてしまう…そんな彼女の苦悩もあるようなので、ぜひ応援してあげてくださいね。
―菩薩ちゃんがコンビニ店員として勤めていけるのか、今後が気になる展開でした!
私もそこは気になりますね。今後もどんどんヤバい客が出てくるし、近々「仲間」も顕現しちゃうかも…?毎話読者の皆様にびっくりしてもらえる展開を考えています。菩薩ちゃんが衆生を救い、悟りを開くまで…引き続きよろしくお願いします!ありがとうございました!
<中村七朗さん関連情報>
▽X(旧Twitter)
https://x.com/NANACHI_DESU
『接客修行!! 菩薩ちゃん』
▽webアクションにて連載中
https://comic-action.com/episode/2551460909807604023
▽単行本第1巻(双葉社)
https://www.futabasha.co.jp/book/97845758626140000000