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「おはようございます」「…」 挨拶しても無言の同僚 コミュニケーションを取れないタイプへの対処法【産業カウンセラーが解説】

長澤 芳子 長澤 芳子

職場で「挨拶をしても返事がない」雑談にもほとんど加わらないという同僚に戸惑った経験を持つ人は少なくないでしょう。おはようございますと声をかけても、目も合わせず通り過ぎていったり、仕事の相談を持ちかけても、返ってくるのは必要最低限の一言だけだったり。

最初は聞こえていないだけかと思っても、何度繰り返しても変わらない態度に、次第に「自分は嫌われているのだろうか」と不安になってしまいます。

このような仕事場での対人関係の悩みはどのように解消したらいいのでしょうか。産業カウンセラーの片田智也さんに、挨拶を返さない同僚とのつきあい方について聞きました。

反応を変えようとするより、まず自分の受け止め方から 

―挨拶を返さない、コミュニケーションをほとんど取らない人には、どのような背景が考えられますか。

多いのは、人と関わること自体に苦手意識があるケースです。話しかけられても何を返せばいいか分からず、結果的にそっけない態度になってしまう人は少なくありません。

また、過去の職場で気疲れした経験から、必要以上に距離を取っている場合もあります。実際そのような悩みを耳にすることはよくあります。少なくとも悪気があってそうしているわけではないケースがほとんどです。

大切なのは「無視された」と受け止めすぎず、まずは軽く会釈だけする、返事がなくても数秒待って次の話題に移るなど、負担をかけない関わり方から続けてみることです。反応がなくても、淡々と続けることで少しずつ空気が変わることもあります

―特定の相手にだけ話しかけるという行動は、心理的にどのように解釈できますか。

特定の相手とだけ話すのは、その人になら安心して話せると感じているからだと考えられます。共通の話題がある、以前に助けてもらった経験があるなど、何らかの「安心材料」がある相手には自然と心を開きやすいものです。

逆に言えば、まだ十分に信頼関係が築けていない相手には、緊張から表情や態度が硬くなってしまうこともあります。業務上、密にやり取りする必要がない相手であれば、なおさらでしょう。 無視しているというより「まだ距離のつかみ方が分からない」段階と捉え、共通の業務やちょっとした頼み事など、関わる機会を意図的に増やしてみるのも1つの方法です。

―挨拶を無視され続けた場合、相手に自分から声をかけ続けるべきか、距離を置くべきか、どう判断すればよいでしょうか。

判断の目安は「自分が疲弊していないか」です。数週間続けても反応が変わらず、声をかけるたびにストレスを感じるようなら、無理に続ける必要はありません。挨拶は1日1回、業務上必要な会話は最低限に絞るなど、関わる回数を減らして自分を守ることも立派な対処法です。

一方で、挨拶は職場のマナーなので、それをしないこと自体を苦しく感じるのも自然です。返事を期待せず、あくまで自分のために「言うだけ言っておく」くらいの軽い気持ちで続けてみるのもよいでしょう。相手を変えようとするより、自分がどこまで負担なく関われるかを基準にすることが大切です。

―「感じが悪い」と決めつけず接するために、周囲はどのような心構えを持てばよいでしょうか。

意識したいのは、態度の裏には必ず何らかの事情があるという前提を持つことです。性格の問題と決めつけると、必要以上に相手を悪く見てしまい、職場の空気もぎくしゃくしやすくなります。

「今日は機嫌が悪いのかもしれない」「人と話すのが苦手なだけかもしれない」と、いくつかの可能性を想像しておくだけでも、受け止め方は軽くなるはずです。あまり深く考えず、「何か理由があるんだろう」と、悪意ではないことを思い出せれば十分でしょう。

また、1人で抱え込まず、同じように感じている同僚と情報を共有することも有効です。自分だけの問題ではないと分かるだけで、気持ちが楽になることもあります。

◆片田智也(かただ・ともや)  一般社団法人感情マネージメント協会 代表理事
公認心理師・産業カウンセラー。メーカー勤務を経て20代で起業するも、過度のストレスから緑内障を発症し、視覚障害を負う。同時期にうつ病を患っていた姉を亡くしたことをきっかけに心理の世界へ転身。厚生労働省のストレスチェック制度や防衛省のメンタルサポートなど、メンタルケア関連の公共事業に多数参画。のべ1万5千人を超えるカウンセリングをおこない、企業や学校での研修・講演の受講者は累計2万人以上にのぼる。『「メンタル弱い」が一瞬で変わる本』(PHP研究所)は世界4カ国で翻訳出版。
▽感情マネージメント協会HP
 https://kanmane.jp/
▽メンタル弱い」が一瞬で変わる本(PHP研究所)
https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-84858-7

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