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「おい!エンジンの中にマヨネーズ入ってるぞ!」オイルキャップを開けたら…整備士歴25年のプロが解説

山岡 もと子 山岡 もと子

「おい!エンジンの中にマヨネーズ入ってるぞ!」。自動車整備士のもとに客から一本の電話がかかってきました。自分でオイル交換をしようとキャップを開けたら、裏に白いものがベットリ付いていたそうです。そのやり取りをつづったX投稿が293万回以上表示され、話題を集めています。投稿者のチームMHO 自動車整備士さん(@teammho)に当時のことを聞きました。

「MHO」さんは自動車整備士歴25年の40代。車両整備のほか、車が国の基準に適合しているかを確認する自動車検査員などの業務に携わっているそうです。電話を受けたのは、数年前の冬。相手は、車検を担当したことがある客でした。「最初は、何のことを言っているのか分かりませんでした」。もちろん、整備でエンジンにマヨネーズを入れることはありません。「マヨネーズ入れた?」「入れませんよwww」「じゃあこのマヨネーズ何なんだよ!」。押し問答が続きました。「MHO」さんは、詳しく話を聞きながら「エンジンオイルが乳化して白くなっている状態のことではないか」と思い当たったといいます。

電話口の客は、怒っていたわけではありませんでした。エンジンの中に見慣れない白いものが付いているのに整備の後で気付いたため、「整備の際に何か入ったのではないか」と不安になって問い合わせてきたのだろうと、「MHO」さんは振り返ります。

この投稿には、驚きの声が相次ぎました。「パッと見はマヨネーズにしかみえない」「思いの外ビジュアルがマヨネーズで動揺」

一方で、「整備士なりたての時フィラーキャップ開けてびっくりした思い出」「ちょい乗りばっかりしてたらなる現象ですね」など、既に知っていたという声も届きました。

「MHO」さんは、「実際に乳化したオイルは、色や質感が本当にマヨネーズのように見えることがあります。車に詳しくない方がそのように表現されるのも無理はない」と話します。

なぜ白くなる? 冬に増える理由

「MHO」さんによると、乳化は整備の現場で時々見かける現象だといいます。特に多いのは冬場。気温が低い時期に短距離走行を繰り返すと、エンジンが十分に温まらず、内部に発生した水分が蒸発しきれません。その水分がエンジンオイルと混ざることで乳化します。オイルを入れるキャップの裏側や注入口の周辺に、白色や薄い茶色のクリーム状になって付着するそうです。

キャップの裏や注入口の一部に薄く付いている程度で、オイルレベルゲージ(オイルの量を測る棒状の器具)で確認したオイル自体が通常の状態であれば、それほど心配のいらないケースだと「MHO」さん。

一方で、点検が必要なケースもあります。注入口全体に大量に付着している、ゲージに付いたオイルまで白く濁っている、エンジンを冷やす冷却水が減っている。こうした場合は、エンジン内部へ冷却水が混入している可能性も考えられるそうです。

「MHO」さんは今回投稿した写真の状態についても、「『冬場だから問題ない』と見た目だけで判断せず、一度点検した方がよい状態だと思います」と話します。

整備の後に疑われることは、珍しくない

「そこを疑われた僕は安心できません」という投稿の一言は、本気で怒っているわけではないそうです。整備士がエンジンにマヨネーズを入れたのではないかと疑われたような状況を、冗談とユーモアを交えて表現したものでした。

「整備後に、それまで気付かなかった音や汚れ、不具合などをお客様が見つけ、『整備したことが原因ではないか』と問い合わせを受けることは、現場ではそれほど珍しくありません」と「MHO」さん。実際には整備した箇所とは関係のない現象や、以前から発生していた不具合の場合もあるといいます。

それでも、客にとっては整備の直後に気付いたこと。「関連があるのではないかと不安になるのは自然なことだと思います」。まず状況をよく聞き、整備した内容との関連性を一つずつ確認して、分かりやすく説明することを大切にしているそうです。

「この投稿が、ご自身の車を確認したり、異常を感じたときに整備工場へ相談したりするきっかけになればと思っています」と「MHO」さんは話します。

キャップを開けて見つけた、マヨネーズそっくりの白い塊。笑い話の裏にあったのは、車からのサインかもしれません。

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