「花粉皮膚炎」と「夏バテ肌」はどう違う?
では、秋の花粉による肌荒れと、一般的な乾燥肌などはどのように違うのでしょうか。
花粉皮膚炎は、花粉が皮膚に直接付着することで起こるアレルギー性の接触皮膚炎です。顔や首、まぶたなど、衣服で覆われていない部分に症状が出やすく、かゆみや赤み、乾燥、細かな湿疹などが現れます。
一方、夏バテ肌・乾燥肌は全身に症状が出ることがあり、花粉皮膚炎に比べるとかゆみは軽度~中等度で、保湿によって改善しやすい傾向があります。
同クリニックの髙桑康太医師によると、8月下旬から10月にかけて顔のかゆみや肌荒れで受診する人の中には、花粉皮膚炎のケースが相当数あるといいます。
花粉皮膚炎は、皮膚のバリア機能が低下した部分に花粉が付着し、アレルギー反応を起こすことで発症します。特に顔やまぶた、首など、露出している部分に症状が出やすいのが特徴です。
春の花粉シーズンに肌荒れを経験する人は、秋のブタクサ花粉でも同様の症状が出る可能性があります。
また、夏バテ肌や季節の変わり目による乾燥肌との違いとして、「かゆみの強さ」「症状が出る部位」が挙げられます。
顔や首など露出部に強いかゆみが出る、目のかゆみやくしゃみを伴う、外出後に症状が悪化するといった場合は、花粉が原因である可能性も考えられます。
日本皮膚科学会の接触皮膚炎診療ガイドラインでも、花粉による皮膚炎もアレルギー性接触皮膚炎の一種として位置づけられており、皮膚科医としての臨床経験では、春だけでなく秋の花粉シーズンにも花粉皮膚炎の患者さんが増加する傾向が見られ、早期の診断と適切な治療介入が症状の長期化を防ぐ鍵となるといいます。
秋の花粉による肌荒れ、どう対策する?
花粉皮膚炎を防ぐには、まず花粉が皮膚に付着するのを減らすことが基本です。医師が挙げる予防・対策のポイントは次の通りです。
・外出時はマスク・眼鏡・帽子などで花粉の付着を防ぐ
・帰宅後はできるだけ早く洗顔し、花粉を洗い流す
・日頃から基本的なスキンケアを行い、肌のバリア機能を維持する
・症状が出た場合は、早めに皮膚科を受診する
特に今年の秋は残暑が厳しく、肌のバリア機能が低下している人も多いと予想されるとのこと。肌の状態が悪いところに花粉が付着すると、花粉皮膚炎を発症しやすくなる可能性があります。
なお、春に花粉症がない人でも、秋の花粉皮膚炎を発症する可能性は十分にあります。春にスギやヒノキで肌荒れを起こす方は、秋のブタクサ等でも同様の反応が出やすいため注意が必要です。
また、顔がかゆい時は皮膚科を受診してください。アレルギー症状を伴う場合でも、お肌のトラブルであれば皮膚科で原因を特定し、適切な処方薬(外用薬・内服薬)をもらうのが一番の近道です。
「夏の疲れかな」と思っていた顔のかゆみや赤みが長引く、外出後に悪化する、目や鼻にも花粉症のような症状がある――。そんなときは、単なる乾燥や夏バテ肌と考えず、花粉による肌トラブルの可能性にも目を向けてみるとよさそうです。