小学2年生で勉強する内容にかけ算の「九九」があります。暗記するのに苦労したという思い出を持つ方が多いのではないでしょうか。そんな「九九」を覚えるのが楽しくなるような作品をそぞらさん(@sozoraemon)が作ったようです。
まるで電車のプラットホームにある電光掲示板のような装置には、九九の問題がランダムで表示されています。そぞらさんによると、1の段から9の段までがランダムに流れ、時間経過とともに駅名も変化する仕組みです。
子どもが興味を持つように、カラフルな文字にこだわり、小型PCのRaspberry Piでプログラムを動かして表示しています。X(旧Twitter)に投稿された動画を見た人からは、「面白い」「楽しく覚えられそう」や「大人の勉強にも使えそう」など、さまざまな声があがっています。
この装置はどのような経緯で作られたのでしょうか。製作者のそぞらさんに話を聞きました。
自分では思いつかなかった広がり方をしている
ーこの装置を制作するにいたった経緯・エピソードがあれば教えてください。
きっかけは、子どもが九九を練習していたことです。普段の生活の中で自然と目に入り、楽しみながら覚えられるものを作れないかと考えました。
もともとこの装置は、気温やニュース、株価などをスクロール表示するほか、実際の東海道新幹線の駅名が順番に切り替わり、駅に近づくと到着案内に変わるように作っていました。次々と情報が現れては流れていくこの仕組みを見て、「学習にも使えるのでは」と思ったのが始まりです。
実際に九九を流してみると、スクロール表示と学習は思った以上に相性が良いことに気づきました。式が右から少しずつ現れるため、「3×3」が見えたあと、答えの「9」が出てくるまでにわずかな間があります。その間に自分で答えを考えられるんです。スクロールそのものが自然な「考える時間」になります。
「さざんがく」のような九九独特の読み方もひらがなで表示し、1の段から9の段までがランダムに流れるようにしています。
ー「新幹線に乗っている気分で、かけ算九九が学べる装置」の投稿の反響はいかがでしたか?
想像していた以上に多くの方から反応をいただき、とても驚きました。
特に印象に残ったのは、「大人ですが、ワクワクしながら見入りました」「新幹線に乗っててコレ流れてきたら二度見する自信があります(笑)」といったコメントです。子どもの学習用として作ったものですが、大人の方にも楽しんでもらえたことがうれしかったです。「鉄道好きなら英単語にもいいかもしれない」「九九以外にも英文を流して英語の勉強など、いろんな勉強に使えそう」といったアイデアもいただきました。「スマホアプリで作ったら流行りそう」「市販して欲しい」という声まであり、自分では思いつかなかった広がり方をしているのも面白く感じています。
ー普段から他にも電子工作をされていますが、他にお気に入りの作品があればご紹介いただけますと幸いです。
特に気に入っているのは「水族館のライブ映像を楽しめる時計」と「証券取引所のように文字がぐるぐる回る表示装置」です。
水族館の時計は、海外の水族館から配信されているライブ映像と時刻表示を組み合わせた作品です。ただ時間を確認するだけではなく、水槽の中を泳ぐ魚たちを眺めながら、時計としても楽しめるようにしました。
もう1つは、証券取引所で見かける、円形に文字が流れていく電光表示をモチーフにした作品です。複数のディスプレイを組み合わせ、文字がぐるぐると回って見えるようにしています。
電子工作では、見た人が「なんだこれ」「面白い」「自分も作ってみたい」と思えるような作品を作りたいと考えています。今回の九九の装置も、電子工作やプログラミングの楽しさを知ってもらうきっかけになればうれしいです。
<そぞらさん関連情報>
▽X(旧Twitter)
https://x.com/sozoraemon
▽ブログ『sozorablog ラズベリーパイを始めよう!』
https://sozorablog.com
▽そぞらさん著書『ラズパイPico 2 W かんたんIoT電子工作レシピ』好評発売中
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