7月~9月は、1年のうち細菌性食中毒が最も増えるといわれる季節。食品のパッケージには、賞味(消費)期限のほか保存方法が記載されており、一般家庭でも気を付けていることだろう。だが、その中でも「常温で保存」や「高温多湿を避けて保存」といった表示は、連日の気温35度超という環境ではいささか不安を覚える。具体的に何度を想定して決められているのか、大阪市保健所南東部生活衛生監視事務所(以下、保健所)に聞いた。
「常温」の目安は外気温を超えない範囲 保存の注意点は食品ごとに事業者が設定
「常温」とは、具体的に何度を想定されているのか。保健所の担当者は次のように説明する。
「一般的には外気温を超えない範囲を指します」
常温の法的な定義はないとのこと。JIS規格(日本産業規格)では、「常温」を5~35度の範囲としている。だが、外気温が35度でも、家の中で直射日光が入る場所だと外気温を超えることがある。スナック菓子は、湿気を防げたら高温でも保存できるが、チョコレートは28度を超えると溶け始めるから、夏は冷蔵庫に入れておくほうが無難だろう。
このように、保存できる温度の範囲が食品ごとに異なるため、直射日光を避けたり高温多湿を避けたりする必要がある場合は、「直射日光を避けて室温で保管」「高温多湿を避けて保存」といった留意事項が、事業者によってパッケージに記載される。
「事業者が『高温多湿を避けて保存』と表示している場合には、それに従ってください」
「開封後」は期限の対象外となるため家庭で衛生管理を
食品の賞味(消費)期限は、定められた保存方法に従い、しかも未開封の状態を想定して設定されている。開封した後の保存は、単純に言ってしまうと自己責任だ。
「食品を開封した場合、記載された消費期限や賞味期限まで安全性や品質の保持が担保されません。開封後は速やかに消費する必要があります」
たとえ「常温保存」や「高温多湿を避けて保存」と表示されていても、開封後には保存方法を冷蔵に変更することが必要な場合があるし、また、例えば密封された生菓子の詰め合わせだと、個包装を開封することで密封状態が損なわれるため、開封後は早めに食べることが必要だ。
「このような場合は、事業者が一括表示の枠外に『開封後は冷蔵庫で保管してください』と目立つように注意書きを添えたり、一括表示内に『使用上の注意』として記載したりして、消費者へ情報を提供することが望ましいとされています。もし、ご自宅の環境で、保存方法についてどうしても不安が拭えないときは、事業者へ問い合わせるのが確実です」
家庭での安全を守るためには、こうした注意書きを見落とさず、指定された保存条件を守ることが基本だ。
大阪市では、食中毒が発生しやすい7月から9月までの間、市民に向けて「食中毒注意報」を発令しており、専用のテレホンサービス(電話:06-6208-0963)や、大阪市のホームページ、公式Xなどで発信されている。
「食中毒注意報の発令状況などをこまめに確認し、家庭での適切な食品管理と食中毒予防に努めてください」
家庭でのひと工夫と正しい知識で、厳しい夏の食の安全を守ろう。
◇ ◇
大阪市ホームページ
https://www.city.osaka.lg.jp/kenko/page/0000006592.html
公式X