「ここだぁ~~~」
7年前のある日、お父さんから突然SOSの電話を受け、徒歩2分ほどの実家へ駆けつけた飼い主の、Naoko Kondoさん(@naokkon)。声のする浴室へ向かうと、そこには浴槽の縁に腰掛け、オロオロしているお父さんの姿が。その両手には、小さな子猫が乗っていました。
なぜか実家のお風呂場に迷い込んでいた子猫。その出会いを描いたイラストと、成長した現在の姿を紹介したThreadsの投稿には、8700件を超える「いいね」が寄せられました。
「猫かわいいし、絵が上手い」
「自分でお家を選べる賢い子」
「ほんと。生命のつなぎですね」
「優しいパパさんでよかった」
「きっと縁があったんですね」
「小さな猫ちゃんにオロオロするお父様もかわいい」
「優しい家族がいるお家だとわかって入ったんだね」
「小さくて愛らしい子が、お家に入り込んだ。運命を感じますね」
など、多くの声が寄せられています。
投稿に写る猫は、現在7歳の男の子「ピノ」くん。2019年6月15日に保護され、当時の推定年齢は生後1、2カ月でした。一体なぜ、小さな子猫がお風呂場にいたのでしょうか。7年前の出来事と、その後のピノくんについて飼い主さんに聞きました。
玄関で鉢合わせした子猫が猛ダッシュ→浴槽へ
飼い主さんによると、お父さんが最初に異変に気づいたのは、どこからか子猫の鳴き声が聞こえてきたことでした。「どこかで子猫の声がするなあ」と家の周囲を探しに出たものの、姿は見つけられなかったそうです。
ところが、家に戻ったところで思わぬ展開が待っていました。自宅の玄関内で子猫と鉢合わせしたのです。驚いた子猫は「ジャンプ一発」で家の中へ走り込み、そのまま浴室まで猛ダッシュ。さらに、浴槽の中へ飛び込んだといいます。
当時、お父さんの家では玄関のドアを開け放しておくことも珍しくなかったため、ピノくんは玄関から入り込んだのではないかと、飼い主さんは考えています。そうした経緯を知らないまま、お父さんから連絡を受けた飼い主さんは、「電話では父がテンパっていて要領を得ず、ただ、とにかく来てくれと言われて、訳も分からず駆けつけました」と当時を振り返ります。
そして浴室で目にしたのが、子猫を両手にのせ、浴槽の縁に座っているお父さんの姿。「風呂場で子ネコを手にのせて座り込んでいる父を見たときは、唖然としました」と飼い主さん。子猫の頭のてっぺんには、つつかれたのか噛まれたのか、小さく毛が抜けた部分があり、耳も後ろへ向かって少しカールしていたそうです。
その子猫が、のちに飼い主さんの家の「甘えん坊長男」となるピノくんでした。保護後のピノくんは、「シャーシャー」と威嚇することもなく、人慣れしているような様子だったといいます。
「すぐにご飯も食べ、水も飲み、うんちもおしっこもトイレでできたので、苦労はなかったです」
あまりにも人を怖がらなかったことから、飼い主さんは迷い猫の可能性も考えました。しばらく「探しています」といった情報に目を配りましたが、該当するものは見つからず、最終的に飼い主さんの家で暮らすことになりました。家には先住の女の子の猫がおり、ピノくんはその子にもよく懐いたそうです。
「先住猫も子育て経験はないはずなのに、遊んでやったり、なめてやったり、母猫のようによく世話をしてくれました」
ピノくん自身も物怖じすることなく、先住猫にくっついて過ごすことも多かったそう。新しい環境の中でも、のびのびと成長していきました。
現在は3匹の中で一番大きく…「とにかく愛が重いです(笑)」
あれから7年。現在、飼い主さんの家にはピノくんを含めて3匹の猫が暮らしています。その中でもピノくんは一番体が大きく、体重も重いそうですが、性格は一番おっとりしていて甘えん坊なのだとか。
「すぐに人の横にきて、トントンと肩を叩きます。振り向くと、すごい力でスリスリしてきます。人が寝ていれば、お腹や胸の上に寝そべってくるので、重くて窒息しそうになります。とにかく愛が重いです(笑)」
ご飯が欲しいときのアピールも積極的で、顔をかなり近くまで寄せてくるため、「とにかくどアップで迫ってくるので、圧が強いです」と飼い主さんは笑います。一方、猫同士でも人に対してでも怒ることはまったくないそうで――。
「体のわりにけっこう小心者な、平和主義者です」
7年前、玄関でお父さんと鉢合わせし、勢いよく家の奥へ駆け込んだ小さなピノくん。あの日の思いがけない出会いから7年、今では自分から人のそばへ歩み寄り、肩をたたいて甘える毎日を送っています。