甲状腺ホルモンの過剰分泌を引き起こすバセドウ病は、動悸や息切れといった身体症状に加えて、精神面にも影響を与えることがあります。漫画家・桜木きぬさんの作品『夫がバセドウ病にかかったら』では、作者の夫がバセドウ病になった際に実際に現れた症状を描いています。
夫によるとバセドウ病の症状は「とにかくだるい」とのことです。そのだるさは、まるでプールの授業後のようで、それを言われた作者は、「それはすっごいだるいね!!」と症状を理解しました。
またインターネットで調べると、バセドウ病の症状のなかには四肢麻痺も含まれていることが分かります。通勤中に動けなくなっては危険と考えた作者は、地下鉄の駅へ行きヘルプマークをもらい、夫のかばんに付けてもらうことにします。
さらにバセドウ病の症状について医師に聞くと、医師から「あなたは今、せっかちになっています」と意外な指摘を受けます。なんとバセドウ病には精神的な症状も発生するようです。驚く夫に、医師は「バセドウ病になると歩くスピードが速くなったり、信号待ちにイライラしたりすることがある」と説明を続けました。
これを聞いた夫は腑に落ちない様子でしたが、作者には思い当たる節がありました。最近、夫と話していると、作者の言葉にかぶせるように話し出すことが増えていたのです。
せっかちになったこと以外にも、同じ話を何度も繰り返したり、集中力が落ちたりと、夫には複数の症状が現れており、作者は精神的な症状に寄り添うことの難しさに直面します。そして、病気の影響で夫の性格が変わってしまったら、それはもう本来の夫ではないのではないかという不安に襲われました。
ただ、バセドウ病の症状は投薬治療によって改善が見込めるものです。実際に夫は、その後の投薬治療によって症状が治まり、作者は再び訪れた平和な日々に胸をなでおろすのでした。
読者からは「わかりやすい」「夫婦の気持ちがリアル」といったコメントがあがっています。そんな同作について、作者の桜木きぬさんに話を聞きました。
知らない病気や知らない苦しみがたくさんある
-バセドウ病の症状についてのエピソードを描こうと思ったきっかけを教えてください。
夫がバセドウ病に罹患した頃は、バセドウ病の知名度があまり高くありませんでした。周囲の人の理解を得るのが大変だったので、少しでも周知できたらなと思って描きました。
-家族として旦那さんの症状に寄り添うにあたり、心がけていたことや意識していたことを教えてください。
私はとても心配性なので、まず私が大騒ぎしないように気をつけました。また、夫は家族や仕事のために無理をしがちな性格なので、「無理するな」と声かけをしていました。あとは自分自身も気疲れしないよう、意識的にゆっくりするようにしていました。
-バセドウ病の治療をしている人や、今回初めてバセドウ病を知った読者へのメッセージをお願いします。
私自身はバセドウ病を罹患しているわけではないので、実際のご苦労はわかっていないと思います。バセドウ病について多少知る機会を得て気づいたのは、まだまだ他に知らない病気、知らない苦しみがたくさんあるんだろうなということです。
この世のすべての病気を知ることは不可能だと思いますが、せめて身近な人の不調や病気については親身になって学び、なるべく合理的な配慮ができればいいなと考えています。
<桜木きぬさん関連情報>
▽ダ・ヴィンチWeb『夫がバセドウ病にかかったら』
https://ddnavi.com/kakattara
▽ダ・ヴィンチWeb『性別に振り回されたわたしの話~1981年生まれのノンバイナリー~』
https://ddnavi.com/seibetsu
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