京都の8月を代表する行事「五山送り火」が近づいてきた。送り火をともす五つの山は京都盆地の東端から北端、西端へと点在する。送り火では市民が護摩木を奉納できるが、すべての山に護摩木を志納しようとすると、移動距離や受付時間の制限もあってハードルが高い。しかし、そうした願いをかなえる夢のような「専用タクシーで全志納所を巡る」プランを返礼品にしたクラウドファンディング(CF)が7月31日まで行われている。
五山送り火は、盆に迎えた先祖の霊を送る京都の伝統行事だ。8月16日午後8時から、「大文字」「妙法」「船形」「左大文字」「鳥居形」の順に点火される。護摩木は各山によって異なるが、例年8月上旬以降の2日間から2週間程度、志納を受け付ける。
志納所は各山の近くに設置される。いずれも丸太町通以北で、「妙法」を除いて鉄道駅の近くではない。最も東に位置する大文字の志納所(左京区銀閣寺町)から、最西端の鳥居形の志納所(右京区嵯峨鳥居本小坂町)まで直線距離でも約12キロある。五つの山を、電車やバスを使い1日で回ろうとした場合、乗り換え案内アプリで計算すると、移動だけで約3時間を要する見込みだ。
この五つの山の護摩木志納所を専用タクシーで回るプランを返礼品にしたCFを京都五山送り火連合会が実施中だ。
近年、送り火が行われる山では豪雨による土砂崩れや倒木が発生し、頻繁な補修が必要となっている。一方で資材費は高騰し、負担が増しているという。また、まきや資材を運び上げる運搬用ウインチレールを有する山もあるが、設備が老朽化しており、費用面の課題から更新できていないという。
こうしたことからCFを実施中で、五山を巡る専用タクシープランをそろえた返礼品を用意している。
出発時間が異なる2コースがある。当日は午前9時半もしくは午前11時にJR京都駅に集合。専用のタクシーで左大文字(北区)から各山を巡り大文字の志納所まで五山の志納所を約6時間かけて巡る。各山1本の護摩木が付いている。いずれも1組2名で、各コース先着4組まで。寄付額は10万円。
京都五山送り火連合会の岩﨑勉会長は「今回のクラウドファンディングは五つの山がスクラムを組んで実施している。多くの人を巻き込んで、伝統行事の継承に努めたい」と話す。
このほか各山の護摩木計5本セットが届く返礼品(寄付額3万円)や、五山の護摩木と扇子のついたセット(寄付額5万円)もある。
CFは8月31日までだが、護摩木は送り火でくべるため、7月31日が締め切り。京都新聞社が運営する「THE KYOTOクラウドファンディング」で受け付ける。