30代女性のAさんには、小学3年生の息子がいます。息子は、ある土曜日に友達と近所の公園に遊びに行きました。それからしばらくして帰ってきた息子は、見覚えのないお菓子の袋を持っています。Aさんが「それどうしたの?」と聞くと、息子は「近くの駄菓子屋で友達に買ってもらった」と答えました。
それを聞いたAさんは「お友達に払ってもらうのは申し訳ない」と感じ、息子におこづかいを渡すルールを作ろうと考えはじめます。
しかし実際におこづかいルールを考え出すと、「いくら渡せばいいの?」「どのタイミングで渡せばいいの?」など、疑問だらけで頭を抱えることに。近所のママ友に聞いてみると、「うちは月500円」「うちは1000円」「まだおこづかいは渡していない」など、意見もバラバラです。
また「渡しても、すぐにゲームやお菓子に全部使ってしまいそう」「お金の使い方って、親が教えられるものなのか」など、おこづかいの使い方についても不安は募るばかりです。
では実際に小学生のおこづかいは、いつ頃から始めるべきでしょうか。また、金額の目安や渡し方、お金との向き合い方をどう教えたらいいのでしょうか。ファイナンシャルプランナーのこもれびFPさんに聞きました。
「衝動買いの後悔も学びになる」現金手渡しがお金教育の土台
ー小学生のおこづかいは、いつ頃から渡し始めるのがよいのでしょうか?
はっきりとした正解はありませんが、小学校入学以降を目安に検討し始める家庭が多いです。低学年のうちは金額の大小よりも、お金を自分で管理する体験そのものに意味があります。
子どもが「欲しいものがある」「友達が持っている」と自分から興味を示したタイミングは、始めどきのサインのひとつといえます。大切なのは、渡す前にルールを一緒に決めておくことです。
「何に使ってよいか」「足りなくても追加はしない」をあらかじめ話し合っておきましょう。また、学年が上がるタイミングなどで「おこづかいを増やしてほしい」と言われる場合もあるので、この対応も事前に親子で話し合っておくと安心です。
ーおこづかいの金額や渡し方に目安はありますか?
博報堂教育財団こども研究所の2026年の調査によると、小学生のおこづかいの1カ月平均は1657円で、もっとも多い金額帯は1000円以上2000円未満でした。ただし学年や家庭の方針によって差があるため、あくまで参考値として捉えてください。
渡し方は、毎月定額にすると管理しやすくおすすめです。定額制にすることで、子どもは今月はいくら使えるかと計画を立てる練習ができます。
現金で渡す場合は、買い物のたびにお釣りを受け取る場面が生まれます。小銭の計算や、なるべく少ない枚数で支払う工夫をすると、自然に算数の練習にもなります。
ー子どもがお金の使い方を学ぶために、親が意識したいポイントを教えてください。
まず使い道を親が細かく管理しすぎないことです。多少の失敗は、それ自体が学びになります。また、おこづかい帳をつける習慣を取り入れると、収支を自分で把握する力が自然に身につきます。難しく考えず100円単位で使った・残ったを書くだけでも十分です。
キャッシュレス化が進む今だからこそ、現金を手渡しすることでお金は有限であるという感覚を体で覚えさせることが、長い目で見た金銭教育の土台になります。
◆こもれびFP 独立系FP1級・宅建士
こもれびFP事務所。特定の金融商品を販売しない立場から、お金と暮らしの相談を受けています。離婚・老後・おひとりさまのお金の不安に寄り添うことをテーマに、note「物語と知識の両側から」を中心に発信中。
▽note(物語と知識の両側から)
https://note.com/bi8