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「新NISAは死後どうなるの?」非課税は本人が生きている間のみ 遺族がネット証券口座の存在に気づけないケースも

山岡 もと子 山岡 もと子

「新NISAは死後どうなるの?」——。こんな問いかけから始まるXの投稿が、大きな反響を呼びました。NISAは、口座内で得た運用益が非課税になる制度です。そのため、名義人が亡くなった後も税金は関係ないと思われがちですが、「NISAだから相続税がかからない」「死後も非課税のまま引き継げる」「遺族のNISA口座へ移せる」といった認識は、いずれも“よくあるカン違い”だといいます。NISAの非課税扱いは、遺族にそのまま引き継がれません。

投稿したのは、金融業界歴17年のイッセイ|品田一世さん(@isseicanada)。ロイヤル・バンク・オブ・カナダなどに勤め、現在はマレーシア・クアラルンプールから金融情報を発信しています。相続時の注意点や誤解されやすいポイントを聞きました。

NISAの非課税制度は「名義人の生存」が前提となっており、「死亡日をもってNISA口座内の資産は払い出されたものとみなされ、非課税運用は終了します」とイッセイさんはいいます。そのため、遺族が自分名義のNISA口座を持っていたとしても、相続した株式や投資信託を非課税のまま移すことはできません。

また、NISAで保有していた資産も相続財産に含まれるため、相続税の対象になります。なお、死亡日までの含み益は非課税です。
ただし、死亡日以降は課税対象となり、配当金には約20%の税金がかかります。また、相続人が引き継ぐ際の取得価額(税金の計算上の「買った値段」)は「死亡日の終値」にリセットされるため、相続後に値上がりした分を売却すると課税されます。「NISAだからすべて非課税」と思い込んでいた遺族が、想定外の税負担に驚くケースもあるそうです。

投稿には、「遺族にそのまま引き継がれるのかと思っていました」「家族と情報を共有しておくことが大切」「何かあった時のメモをちゃんと作っておくべき」「死んだ時のことも考えて準備しないといけないですね」といった声が寄せられ、多くの人が相続時のルールを知らなかったことがうかがえました。

実は「資産の存在に気づけない」ケースも

イッセイさんによると、NISAの相続で最も多いトラブルは、税金ではなく「家族が資産の存在そのものに気づけないこと」だといいます。

「ネット証券は通帳がなく郵送物も少ないため、家族が『どこの証券会社を利用していたのか』を知らず、資産がそのまま放置されてしまう可能性もあります」と注意を呼びかけました。

相続手続きでは、証券会社へ死亡を連絡すると口座は凍結されます。その後、戸籍謄本や印鑑証明書、遺産分割協議書などを準備し、一般的には相続人が故人と同じ証券会社で課税口座(特定口座など、利益に税金がかかる口座)を開設して資産を移します。さらに、死亡日までに故人が配当所得などを得ていた場合には、相続人が準確定申告(故人に代わって相続人が行う確定申告)を行うケースもあります。

トラブルを防ぐためにやっておきたいこと

イッセイさんは「まずは利用している証券会社名を家族へ伝えておくことが大切です」と話します。あわせて、証券会社名や保有資産の概要をエンディングノートなどに残しておくことや、できれば家族も同じ証券会社で口座を開設しておくことを勧めました。相続時に必要な「同じ証券会社での口座開設」の手間を、先回りで減らせるためです。

一方、家族側も「本人が元気なうちに証券口座の有無や利用している証券会社を確認し、相続手続きの流れを把握しておくことが重要」とイッセイさんは強調します。新NISAは将来に向けた資産形成を支える制度ですが、その資産を大切な人へ確実につなぐためには、生前の情報共有も欠かせない備えといえそうです。

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