近年、「静かな退職」や「超早期退職」が注目を集めるなか、入社わずか1カ月という早い段階で新入社員がどのような意識を持っているのでしょうか。Z世代向けの企画・マーケティングを行う「僕と私と株式会社」(東京都渋谷区)が実施した「仕事の満足度」に関する意識調査によると、6割近くが入社1カ月で「転職」を意識していることがわかりました。
調査は、2026年4月に新社会人になったZ世代(18~27歳)644人を対象として、2026年5月にインターネットで実施されました。
まず、「社会人として働くうえで特に重視したい項目(最大3つまで選択)」を尋ねたところ、最も多かった回答は「ワークライフバランス」(32.7%)でした。次いで「人間関係の良い職場」(29.5%)、「安定した雇用」(26.9%)が続き、日々の働きやすさや身近な職場環境を重視する傾向が見られました。
一方で、「キャリアの選択肢の広さ」は10.4%と最も低い結果となり、入社直後の段階では、将来のキャリア形成よりも「まずは無理なく働ける環境」を求める姿勢がうかがえます。
続けて、「現在の仕事への満足度」を尋ねたところ、「非常に満足」「やや満足」を合わせて56.8%となり、過半数が現状の仕事に満足していることがわかりました。
しかし、重視する項目別に満足度を見ると違いが表れています。
最も満足度が高かったのは「安定した雇用」を重視する人で67.3%、次いで「自分らしさを大切にできること」を重視する人の65.8%でした。
その一方で、重視する人が最も多かった「ワークライフバランス」は60.2%、「収入の高さ」にいたっては55.6%と、相対的に満足度が低い結果となりました。
本調査では、回答者のうち376人に対し、入社前の2026年3月にも同様の項目で「入社前に期待すること」を調査していました。そのデータと「入社後の実感」を比較したところ、全体的に「入社後の実感」が期待を下回る結果となりました。
特にギャップが大きかった項目としては、「仕事が人生のすべてにならない」(入社前68.4%、入社後57.4%)や「仕事とプライベートの両立」(同65.2%、55.1%)、「将来のキャリア選択肢を広げる」(同61.2%、49.7%)、「市場価値が高まる」(同60.9%、48.7%)が挙げられ、入社前に期待していたほどには仕事と私生活のバランスが取れておらず、時間の使い方に難しさを感じている様子がうかがえます。
また、日々の業務や研修に追われる中で、キャリアアップや市場価値の向上をまだ実感しきれていないことも、ギャップの原因となっているようです。
最後に、「就職直後のキャリアに対する意識」を調べたところ、「資格取得」(69.9%)が最多となったものの、注目すべきは「転職」を意識している人が56.9%にのぼった点です。
また、「副業・複業」を意識している人も57.6%と半数を超えているほか、「転職」や「副業」については「具体的に情報収集や行動をしている」と答えた人が約2割に達しており、入社わずか1カ月の段階であっても、現在の会社に依存せず、別のキャリアや働き方の選択肢を視野に入れている実態が明らかになりました。
入社直後の26卒新入社員は、一定の仕事満足度を感じつつも、理想と現実のギャップを感じたり、早くも次のステップを模索したりしていることが分かりました。
新入社員の早期離職を防ぐためには、企業や人事担当者が彼らの求める「安心感」や「無理なく働ける環境」への配慮を行い、入社前後のギャップをいかに埋めていくかが重要なカギとなりそうです。
◇ ◇
【出典】
▽僕と私と